266…Kaito side… ページ38
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廉「海人ぉ、お前Aの幼馴染やろ。
ほんまに何も知らんの？」
珍しく呼び出されて
もう、廉の目の前には空になったジョッキが二つも
「あの、これ、下げてもらっていいですか？
ありがとうございます、すみません。」
廉「なぁ、聞いてるん？」
「廉、飲みすぎだって、もう〜。」
最近Aの様子がおかしいって
いつも俺に相談なんてしてこないのに
「俺も分かんないよ。
喧嘩じゃないの？あ、でも二人は喧嘩しないか。
廉、Aになんかしたんじゃないの？」
廉「お前アホなん？
そんなことならわざわざ海人に話さないやろ。」
「そんなことって…。
A、どんな感じなの？」
廉「元気。」
「元気？」
廉「元気すぎんねん。」
その一言に思い浮かぶAの顔
「無理して笑う癖。」
廉「そ、それ。」
分かっちゃうのはきっと
俺がそれを隣で見てきたからで
自然と学生時代を思い出す
流れる沈黙
けど俺と廉が考えてることなんて
口に出すまでもなく一緒で
アルコールで少し充血した廉の目が
どこか切なそうに遠くを見ていた
「けど、ないでしょ、」
廉「あって欲しくないわ、そんなん。」
いつも冷静な廉が
静かに痛みに耐えてるように見えた
廉「やっぱズルしたやつって
幸せになれんようにできてるんかな。」
「廉。」
廉「なに？」
自暴自棄になりそうな廉が俺を見る
その目が悲しみと怒りに満ちてて
廉がここまでになる、って
ここまでにさせる何かを廉は感じてて
「ズルくないじゃん。
A、廉といて幸せそうだよ？」
.
.
廉「紫耀だったら？」
怒りの消えた
悲しみだけのこもった目
「…廉。」
廉の抱える不安も悲しみも
俺には理解できないほどの大きさで
きっと今まで我慢してたものが今溢れつつあることを
いざ目の前にすると
すごく怖くなった
廉「何年経ってると思う？
六年やで？六年。
六年経っても俺はAにあんな顔…」
片手で顔をギュッと覆って
かける言葉なんて出てこない。
廉の苦しみは
Aにとっての紫耀の存在だけじゃなくて
Aの笑顔を守っていられてない自分への不甲斐なさで
カッコよすぎるんだ、廉は。
カッコよすぎて優しすぎる。
「カッコよすぎんだよ…。」
廉「え？ちょ、は？
なんで海人が泣くん？！」
「うるせぇ！」
廉「はぁ？お前本当なんなん？！」
そんな廉が頼ってくれて
嬉しかったんだ
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masumi(プロフ) - 初めまして。更新まっていたので嬉しいです(*^-^*)もう一度最初から読み直してみようと思います。続きもどうぞよろしくお願いします＾＾ (2022年8月18日 10時) (
レス) @page46 id: 773d2c854b (このIDを非表示/違反報告)
夏希(プロフ) - 更新してくださって嬉しいです(涙)ありがとうございます！何年も待っててよかったです！前のお話読み返しながら楽しみにしてます。 (2022年8月18日 9時) (レス) @page46 id: 0d02ac1782 (このIDを非表示/違反報告)
なおちゃん - はじめまして。作品読ませていただきました！毎晩子供達が寝てから読んでました。涙なしでは読めなくて、すごいストーリーに入り込んで夢中になりました。続き楽しみにしています！ (2021年5月17日 10時) (レス) id: 9300674cb4 (このIDを非表示/違反報告)
nagomi0625(プロフ) - 先日、この作品に出会い一気に読ませて頂きました。続きがとても気になります！この作品が完結するの楽しみにしています！更新待ってます。 (2021年2月10日 14時) (レス) id: 90023824b3 (このIDを非表示/違反報告)
bloom(プロフ) - とても夢中になって読み進めてしまいました！大変だと思いますが更新頑張ってください！楽しみに待っています (2020年8月8日 11時) (レス) id: 8a8ded8f17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海羅
| 作成日時：2018年2月26日 4時
