261…Yuta side… ページ33
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手元の腕時計に目をやると時間は七時半を指そうとしていた
約束の時間から、あと少しで三十分が経つ
スマホを見ても時間は腕時計と変わらず
その下にメッセージが通知されることもない
遅刻にしては遅いし
連絡が来ないなんてAらしくない。
けど俺の頭の中は、あの日のことでいっぱいで
婚約破棄
紫耀に告げられたその全てをAにどう話したらいいのか
何度もつまずきながら時には転びながら
それでもようやくしっかりと前に歩き始めたAに
このことを話すには言葉を選ばずにはいられなくて
きっとAのことだから
また考え込んで立ち止まって
自分のせいだ、なんて言い出しそうで
けど、話さなきゃなんない。
なぜかそれだけは揺るがずにずっしりと心にあった
＿＿＿ガッ
俺が目線を落とすテーブルのその先
いきなり引かれる椅子に咄嗟に顔を上げる
「遅かったじゃん。」
何も発さずゆっくりと椅子に座って
明らかにいつもとは違う深刻そうな顔
「どうした。」
『…ごめん、遅れて。』
「あぁ、いいけど別に。」
『仕事早く終わって。』
「ふーん、そうだったんだ。え？」
なんて話そうか考えていた俺の脳はすぐには働かなくて
え、早く終わったのに？
背もたれに身体を預けて肩を落として
疲れてるように見えるのに目だけは悲しく何かを見つめていた
『そしたら、ばったり会ったの。』
「へ〜誰に？」
『…ちゃん。』
「え？」
『…麗香ちゃん。』
俺の頭の中を何かが駆け巡って
一瞬、息すら止まったと思った
『聞いた。なんで結婚やめたか。』
なんとも言えない目で俺を見る
安堵なのか緊張なのかよく分かんないけど
俺も背を預けて身体の中の全部の空気を入れ替えた
「そっ、か。」
『う、ん。』
けどそのAの表情からは、何を感じたのかなんて
全然分かんなくて
「麗香ちゃん、なんて？」
結婚がなくなった理由
紫耀と過ごしてた日々
その話をする麗香ちゃんの表情
手を握られて訴えられたこと
全部を俺に話していった
勇太「見くびってたわ、俺。」
『え？』
女って自分に都合良く、とか
全部話さないとかそういう感じだと思ってたけど
勇太「麗香ちゃんなりに全部話したんだな、って。」
『…うん。』
けど、まだ早い。
Aの気持ちを聞くのには
「俺も話す。
紫耀から、聞いてきたこと。」
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masumi(プロフ) - 初めまして。更新まっていたので嬉しいです(*^-^*)もう一度最初から読み直してみようと思います。続きもどうぞよろしくお願いします＾＾ (2022年8月18日 10時) (
レス) @page46 id: 773d2c854b (このIDを非表示/違反報告)
夏希(プロフ) - 更新してくださって嬉しいです(涙)ありがとうございます！何年も待っててよかったです！前のお話読み返しながら楽しみにしてます。 (2022年8月18日 9時) (レス) @page46 id: 0d02ac1782 (このIDを非表示/違反報告)
なおちゃん - はじめまして。作品読ませていただきました！毎晩子供達が寝てから読んでました。涙なしでは読めなくて、すごいストーリーに入り込んで夢中になりました。続き楽しみにしています！ (2021年5月17日 10時) (レス) id: 9300674cb4 (このIDを非表示/違反報告)
nagomi0625(プロフ) - 先日、この作品に出会い一気に読ませて頂きました。続きがとても気になります！この作品が完結するの楽しみにしています！更新待ってます。 (2021年2月10日 14時) (レス) id: 90023824b3 (このIDを非表示/違反報告)
bloom(プロフ) - とても夢中になって読み進めてしまいました！大変だと思いますが更新頑張ってください！楽しみに待っています (2020年8月8日 11時) (レス) id: 8a8ded8f17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海羅
| 作成日時：2018年2月26日 4時
