235…Yuta side… ページ35
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何も考えていないように見えて本当は誰よりも考えすぎてる
その一面を知ったのは高二だった。
失って初めて気付く、ってやつは
その目に遭わないときっと学べない。けど、
もう同じことは、紫耀を失うことはしたくないと思った
「お母さん、大丈夫なの？」
紫耀「ん、最近は調子ええよ。
こないだもみんなでお買い物行ったし。」
パラパラと就活の資料をめくりながら
俺に嬉しそうな顔を向ける
けどちょっと引っかかってた。
本当なら早く就職先を決めて
お母さんを安心させることを考えるはずなのに
「どうすんの、就職先。」
紫耀「あ〜、うーん、もうちょっと見ようかな、って。」
何を目指してるのか何を目標にしてるのか
全然分からなかった。
「最後じゃん、Aも決まったし。」
紫耀「えっ？A決まったん？」
「うん、一応。」
紫耀「ほんまに？」
「え、うん。」
紫耀「よかったぁ〜…。」
なんだよ、めっちゃ心配してたんじゃん。
紫耀「廉から聞いててん、Aすぐ自信なくすって。
やから、ほんまによかった…。」
何かを抱きしめてるような穏やかな顔
けど、どこか切なくて
でも見ててどこか安心するような
思わずこっちまで笑顔になる
紫耀「へ？なに？」
我慢できなくて笑ってしまった俺に
キョトンとした表情で俺を見つめる
思えば紫耀から熱量を感じる時はいつだってAのことだった
いつも穏やかな紫耀が色々な表情を見せる
嬉しそうな顔も楽しそうな顔も切ない顔も辛そうな顔も
笑顔も。
紫耀を人間らしくさせるのはいつだってAだ。
あの日からずっと
紫耀のしたことが紫耀の想いが
無駄にならないように
そのことだけをずっと思って過ごしてきた。
紫耀のこと、紫耀のため、って思ってたけど
結局、俺って。
“俺、紫耀に幸せになってほしい。”
真っ直ぐに俺を見つめながらあのクリスマスの日
玄樹は俺にそう言った
“俺はAが笑ってくれればええから。”
全てを話してくれたあの日、紫耀は俺にそう言った
俺、何やってたんだろ。
紫耀の言葉、間に受けて。
また失ったりしたら紫耀の大事なものだって
Aの笑顔だって、守れなくなるのに。
玄樹、俺
そろそろちゃんと向き合うよ。
見つめた横顔が不意に俺に向いて
紫耀「ほんまによかった。」
今にも消えそうな顔で微笑んだ
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Koko(プロフ) - 読んでいて止まらない！ドキドキしてワクワクしてヤバイくらいです。 (2019年2月27日 8時) (
レス) id: 6359401af5 (このIDを非表示/違反報告)
海羅(プロフ) - MIZUHOさん» MIZUHOさん、いつもコメント頂きありがとうございます。最初から長いお付き合い、本当にありがたく、またとても心強いです。これからも心に響く作品になるよう頑張りますので、是非最後までよろしくお願い致します。またコメントもお待ちしてますね。 (2018年2月26日 22時) (レス) id: 3f3c8daa7f (このIDを非表示/違反報告)
MIZUHO(プロフ) - こんばんは。この作品の初めから全て読ませていただいています。読んでいてすごく感情移入？出来るくらい心に響いていつも楽しみにしています。第6弾も楽しみにしています！ (2018年2月26日 20時) (レス) id: 2f213f30c3 (このIDを非表示/違反報告)
海羅(プロフ) - しのさん» しのさん、コメントありがとうございます。長編作品が故の不安もある中とても嬉しいお言葉ありがとうございます。これからもお付き合いよろしくお願い致します。第6弾は本日中に公開予定です、混乱させてしまい申し訳ありません。また是非コメントもお待ちしてますね。 (2018年2月26日 16時) (レス) id: 3f3c8daa7f (このIDを非表示/違反報告)
海羅(プロフ) - ぬれおかきさん» ぬれおかきさん、コメントありがとうございます。こちらの手違いで更新にミスがあり、本日中に第6弾の公開を予定しております。混乱させてしまい申し訳ありません。作品、楽しみにしていただいて嬉しいです、ありがとうございます。またコメントもお待ちしてますね。 (2018年2月26日 16時) (レス) id: 3f3c8daa7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海羅
| 作成日時：2017年9月20日 15時
