拾捌 ページ18
「なるほど…
手についた土を払いながら私は呟いた。
嘴平伊之助は私が蹴ってから起き上がらない。
いつまでも起き上がらない彼を心配して、猪の頭を外して見てみる。原因がそこにあった。
どうやら、私が止めに入る前に冨岡義勇の
猪には似合わぬ綺麗な顔をした少年は額から血をダラダラと流して気絶している。おそらく私の蹴りではなく、竃門くんによる頭突きが原因であろう。
「すみません、Aさんまで手伝っていただいて」
竃門くんは山から沢山の石を運びながら申し訳なさそうに謝る。
今、彼らが出くわし斬った鬼達に殺された人達を埋葬しているところだった。
鬼に連れ去られたという子供と、そのキョウダイも手伝ってくれて作業は順調に進むものの殺された数が多すぎてもう日は高くなっていて、終わる頃には日が暮れてしまいそうだ。
「構いません、
「あの!Aさんん!」
「はい、なんでしょう?我妻くん」
「結婚…」
「結婚?」
「結婚されてますか?!もしくは結婚を約束したお相手はいらっしゃいますかぁあ''あ''」
縋り付くように涙を流しながら、声を枯らし聞いてくる我妻に、若干引いてしまう。
「その…現段階では結婚という訳にはいきませんが、添い遂げたいと思う方なら……」
「い"い''い''いいいーやぁああ''あ''あ''あ''!!」
突然奇声を発する我妻に、思わず肩をビクリと震わす。我妻は少し離れたところで蹲りブツブツと独り言を地に向かって吐き出している。
「か、竃門くん…。私、なにかしてしまいましたでしょうか?」
「気にしないでください」
素晴らしい笑顔でそういう竃門くんに、我妻善逸はいつもあんな感じなのかと苦笑いがこぼれる。
「うああああああ''あ''あ''あ''!!!!」
今度はドスの効いた雄叫びに肩をビクリと震わす。
嘴平伊之助が目を覚ましたらしい。
彼らが気を利かせて羽織を枕と掛物にしてくれていたのにそれを跳ね飛ばすように勢いよく起き上がる。
「ちょっとは静かにしてください!」
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もちごめ(プロフ) - とても面白いです!1つ気になったのが、煉獄さんは柱の人たちを呼び捨てで呼んでいます。胡蝶、宇髄のような感じです。口調も「〜だね、〜かい?」ではなく「〜だな!〜だろう!」と言ったように喋ります。口出し失礼致しました…!! (2020年11月21日 9時) (レス) id: 2c19e184ee (このIDを非表示/違反報告)
rina214skt2(プロフ) - メリアさん» コメントありがとうございます。煉獄さんの人の呼称が迷走してしまい申し訳ありませんm(_ _)m順次修正させていただきますのでお待ちくださいませ。楽しみにしていただけて嬉しいです!頑張ります! (2019年8月24日 13時) (レス) id: 74af5ac913 (このIDを非表示/違反報告)
メリア - 口出しすみません!煉獄さんは(名前)少女/少年と呼ぶと思います。冨岡、と呼んでいます。本当にすみません!いつも楽しみにしてます! (2019年8月24日 12時) (レス) id: 25b2169fce (このIDを非表示/違反報告)
rina214skt2(プロフ) - 蜜柑さん» それが実は私にもわかりません!頑張ります!ありがとうございます^ ^ (2019年8月20日 20時) (レス) id: 74af5ac913 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑 - いやぁーどうなっちゃうんでしょうね?これからがすごく楽しみです!更新頑張ってください! (2019年8月20日 16時) (レス) id: aebba032ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あめ | 作成日時:2019年8月18日 9時