ひとりになりたくない魔法使いと手離したくない零お兄さん ver.５【名探偵コナン/降谷零 安室透】

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風「！降谷さん
お疲れ様です」
降「…あぁ」

病室に入り

そう言ってくる風見に返事だけし風見を見る



風「…」

風見は辛そうな表情で首を振ると目を伏せた

僕はそれに“そうか”とだけ言って

ベッドに寝かされ腕に点滴を繋がれたAに目を移す




あれから


五日が経とうとしていた


五日もの間Aは眠り続けていた

命の危機からは脱しているものの一向に目覚めない

精密検査も受けさせたが医者にも原因がわからないと言われてしまった



降「…風見
君は仕事に戻ってくれ
…今日も悪かったな」
風「…いえ
降谷さんこそ…」

この五日間Aが目覚めた時のために僕と風見で出来るだけAに付き添うようにしていた

どうしても仕事を抜け出せない時は看護婦に出来るだけAを見ていてもらいそして目覚めたらすぐに連絡を貰えるよう頼んで








降「…A A」

風見が病室から出た後

備え付けの椅子に座りAの冷たい手を握る

何度も名前を呼ぶが

反応は無い



降「…いい加減目を覚ましてくれないと…風邪という理由では通せなくなるぞ…」

学校とポアロには風邪を拗らせた事にして休ませている

だがそれもそろそろ怪しくなってきた

心配する声もあがっているうえに何だかやたらとコナン君からの視線が痛い




降「…」

こうなってしまった原因は恐らく極度の魔力消費によるもので魔法使いだからこそ起こってしまったもの

医者が原因を突き止められないのも仕方ない事だった

魔法を使い過ぎると空腹や睡魔に襲われるとは聞いていた

それを超えてしまった場合“命に関わる”という事も

しかしそのもしもの時の対処法を聞いていなかった



降「…この場合…どうすれば良かったんだ…？」

そもそも対処法などあったのだろうか？

魔力消費が原因なら思い付くのが誰かから魔力を譲渡してもらう事だが魔法使いなどこの子ただ一人きりの世界でどうやって？

本来ならAの世界ではAと同じ魔法使いがどうにかしてくれたのかもしれない

しかしここにはそんなもの存在しているはずもなく僕だってただの人間だ

この世界は魔法使いには生きづらい世界だとはわかっていたが僕は本当の意味でそれを理解出来ていなかった

このまま一生目覚めない可能性だってある

そう考える度恐怖が込み上げてくる





降「…」




…あぁけれど




もしもこのまま




目覚めさえしなければ





Aがもとの世界に






帰ってしまう事は…

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