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降「…他には?」
「他には…」
ふとAが言葉を止め
降谷を見た
「…零お兄さん
コナン君の何が知りたいんだい?」
降「…!」
Aの言葉に降谷の目が大きくなる
降「…いや…」
そしてバツが悪そうにAから視線を逸らす
降「…聞いたら教えてくれるのか?」
「私が零お兄さんに教えられないような事が聞きたいのかい?」
降「…」
思わず無言になる降谷
身をもって知っている
この子は恐ろしい程人を見透かす
だからこそ
自分だけではない
他の誰かの秘密を
知っているのではと…
降「…」
降谷は諦めたように息を吐く
降「…言えないよな…もしAが…誰かの秘密を知っていたとしても…」
そしてぽつりと
そう溢した
「…」
そんな降谷を
Aはじっと見た後
口を開く
「…誰かの秘密はその誰かの秘密で
私の秘密じゃないから」
降「…!」
「言えないんじゃない
その人が秘密にしている事を
私が言うわけにはいかないんだ」
そう言って
Aは困ったように笑う
「…ごめんね」
降「…!」
決してAが謝るような事ではない
にも関わらず謝らせてしまった事に
降谷の中に罪悪感が込み上げる
降「…僕の方が…ごめん」
「!ううん
けど…」
降「?」
Aは少しだけ降谷を見つめた後
「零お兄さんなら私が言わなくても
いずれわかる事だと思うよ」
降「!」
そう笑うA
降谷は目を大きくしてAを見ると
降「…なぁA」
「?」
降「…誰かの秘密じゃないんだ
僕に隠してるA自身の秘密は何だ?」
その質問に
Aは目を瞬かせる
「…零お兄さんに秘密にするような事は何も無いけど…」
降「…にしてはあまり自分の事を話してくれないだろ」
「そうかなぁ…例えば?」
首を傾げ聞いてくるA
降「Aがいた世界で…
Aはどういう存在だったのか…とか」
Aの動きがぴたりと止まった
しかしすぐににこりと笑うと
「普通に魔法使i」
降「もう僕には通用しないからなそれ」
数えきれない程はぐらかされ続けてきたが少しくらい教えてくれたっていいだろ
まず魔法使いの時点で普通じゃないと気づけ
降谷はじっとAを見る
「…えっと…」
Aは困ったように視線をさまよわせ
何かを言い淀んでいる
降「…僕としてはAは“マギ”の一人だったんじゃないかと思ってるんだが」
「!?」
降谷の言葉にAの目が見開いた
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sou(プロフ) - 尊い♡♡ (2022年3月22日 23時) (レス) @page49 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
sou(プロフ) - 毎回の裏話好きです♡こんなに素晴らしい作品書けるの才能!!!凄いです!! (2022年3月22日 23時) (レス) @page1 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
yukari20164(プロフ) - とても面白いです。皆さんなんでこんなに面白い小説書けるのかなあと思います。 (2019年12月23日 19時) (レス) id: 9829adedfb (このIDを非表示/違反報告)
shoko0619(プロフ) - 零と睡蓮結ばれてほしいです。 (2019年10月3日 22時) (レス) id: 9301928d42 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - はじめまして。凄い面白くて素敵なお話です。一人称は読んでて違和感などなかったので変えても変えなくてもどちらでも良いと思います☆更新楽しみにしてます! (2019年9月28日 7時) (レス) id: 3d2c2e3b7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サクヤ | 作成日時:2018年12月14日 23時