★ひとめぼれ るぅとくん ページ44
猫音々 様！ ありがとうございます！
- 恋って落ちるものでしょ、？ -
root side
「え〜お兄さん絶対暇でしょ〜？」
「そうだよ〜私たちと遊ぼーよ〜」
「おすすめのカフェあるのぉ〜。
一緒に行こぅ〜？」
キツい香水の匂いに鼻をつかれた。
メイクに詳しくない僕でもわかるくらいの
ギャルメイクと露出度の高い服。
苦手な部類だ。
瞬時に僕の頭がそう反応した。
「えっ、いやあのっ…」
こういう時に出るコミュ障。断れない。
「え〜だってぇ、お兄さんひとりでしょお？」
いやまぁひとりですけど。
ころちゃんとかいう人が遅れてるからひとりな
わけで。
なんて考えてる間にも腕を引っ張られて、どこかに
連れてかれて。
「やめてくださいっ！」
「えーいいじゃーん」
「だからっ、」
振り解こうとした途端、
『やめてくださーい』
掴まれていない片腕側から強い力で引っ張られた。
腕の方を見ると、これまた見たことない女性。
何僕今日モテ期なの？！
こちらの女性の腕も振り解こうとすると、
女性は思わぬ発言等した。
『私の彼になにか御用でしょうか？』
これには僕もびっくり。
ギャル女たちだって目をくわって見開いている。
チラッと女性の方を見ると、まるで合わせて！
と言わんばかりに目をギュッとつぶっていた。
その姿に心がギュッと締め付けられる感覚がした。
「す、すみませんでしたぁ〜」
「彼女いるって知らなくてぇ〜」
そう言って尻尾を巻いて逃げていってしまう、
ギャル女たち。
『バカですね、あの人達』
苦笑気味で去っていく背中を見つめる女性。
「助けてくれて、ありがとうございます。
僕、断れなくて…」
『いいえ〜こちらこそ急にすみませんでした』
「あぁ！僕の方ですから！
本当にありがとうございます」
そう言ってると、後ろから今日の遅刻魔…訂正。
いつも遅刻魔のころちゃんが来た。
「あれ〜るぅとくんナンパ？」
「遅れてきてよく堂々と失礼なこと言えますね」
一発ビール板の刑。
『じゃあ私はこれで』
僕たちがふざけている間に、踵を返してしまう女
性。
行って欲しくなくて。
どんなことでもいいからまた話す口実が欲しくて。
気付いたら呼び止めてて。
後ろで慌ててるころちゃんの声も入ってこなくて。
「お礼したいんです！
連絡先、交換してくれませんか、！」
fin.
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作者名：旭 | 作成日時：2020年2月10日 19時
