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★ Happy Valentine  ななもり。くん ページ12

れもんの木 様! ありがとうございます!

- ハッピー! -


『なーくん、遅いなぁ…』

 世間がバレンタインだぁ!

 チョコだ!

 と騒いでる中、私の彼氏は今日も今日

とて会社でお仕事です。

『折角チョコ用意したのにぃ』

 料理が苦手な私もチョコのパウンドケーキ、

作ってみたのに。

 結構上手くできたと思うよ。

 今日会った友達にも、美味いじゃんって

言われたし。

 せめて日付が変わる前には渡したいな。

 もう時刻は、二十二時。

 渡せそうにない。

 冷蔵庫に用意してたチョコをしまうと、

すっかり冷めた夕ご飯に手をつけました。

 その途端。


「ただいまっ!」


 玄関のドアを勢いよく開けて、

帰ってきたのはなーくん。

『なーくんっ!』

 走ってきたのか、汗びっしょり。

 息を切らしてます。

『おかえり。お疲れ様』

「ん、疲れたぁ〜」

 覆いかぶさるように抱きついてきた彼。

 いたわるように背中を撫でてあげると、

耳元で彼が喋り出しました。

「俺、今日会社でチョコ沢山もらったよ」

『っ!』

 チョコ。

 この一言に酷く驚きました。

 そうだ。まだ渡せてない。

 夜に渡すね、って言って朝渡してないから、

会社で色んな女性の人に貰ったのかなぁ。

 なんか嫌で、彼の服を強く握りました。


「でもね、俺受け取らなかった」


『えっ、』

 顔を上げると、照れ臭そうに笑うなーくん。



「だって。

 ももかからもらったチョコがいいし」



 …ぁ。

 なーくんって、なんかチョコみたい。

 さっきまでのモヤモヤも、チョコの甘さ

みたいに上からカバーしてくるみたい。

 ちょっとポエムっぽいなぁ笑。

 でも、受け取らなかったんだ…。

 ちょっと嬉しかったり。

「はぁ〜、俺お腹空いちゃった。

 夜ご飯お願いしま〜す!」

『あ、は〜い』

「あ、あと。

 チョコもね」

 私の前髪を持ち上げて、おでこにちゅっ

とキスをすると、疲れた〜なんて言いながら

部屋に入っていきました。

 私はただ、恥ずかしくて口をパクパク

するだけ。

 でも知ってるよ、私。

 なーくんの耳が赤いこと。


「あ、チョコだ〜!

 ありがと〜う!」


「ん!うまい!」


「やっぱり、ももかが一番!」






  fin.

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作者名: | 作成日時:2020年2月10日 19時

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