形だけでも［完結］ (ページ9)

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看病ページ9

今日は土曜日。

私の風邪が伝染ったであろう松村先生の家にお見舞いに来ている。まあ、私のせいだし。

連絡先を知ってるから、事前に連絡もしてある。

教師と生徒なのにいいの？って思った？
そんなの今更だよ。

松村｢はーしんどいよー｣

『だったら黙って薬飲んで寝て』

松村先生は薬が嫌いらしい。
いい大人が…。

『粉薬じゃないだけいいじゃんかー』

松村｢喉に引っかかる感じが嫌じゃん…飲み込めない｣

でも薬飲まないと熱は下がらないよね。

松村｢なぁ、薬飲ませて｣

『え？』

松村｢口移し｣

いやいやいやいや。
それは、ちょっとハードル高い。

松村｢はーやーく、俺このまま熱下がらないよ？｣

うぅ…仕方ないか。

私は薬と水を口に含んで松村先生に跨り、唇を合わせた。

＿ｺﾞｸﾝ

松村先生はちゃんと薬を飲み込んだ。

『えらーい』

松村｢美味かった｣

ペロリと舌なめずりをする松村先生は無駄に色気がある。

『ねぇせんせ？』

松村｢なーに｣

『吉田先生とも、するの？』

松村｢は？｣

『他の女の人とも、そういう関係あったり…』

松村｢お前だけだよ何言ってんの｣

私が吉田先生に言われたことを話すと、松村先生は腹を抱えて笑いだした。

松村｢あんな化粧の濃いおばさんいやだし他の女も無理｣

そう言って私の手を引っ張ってベッドの上で抱きしめた。

松村｢嫉妬したの？不安になった？｣

『あ…や、まって…』

私を押し倒しながら服の中に侵入してくる先生の手は熱い。

松村｢待たない｣

帰る時、感じた違和感。
不自然に片付けられた部屋。

生活感のあるキッチン。

必要以上に部屋を見せない先生。

少しだけ部屋に残っている女物の香水の香り。

感じるモヤモヤの中、唯一の救いは、私がその後風邪をひかなかったこと。