イーガ団の幹部 (ページ8)

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無才ページ8

儀式が無事に終わると、白とベージュで統一された、シンプルだが豪華な自室へ案内されると、召使いから説明を聞かされた。
手短にまとめると、朝餉の食事は午前7時、昼は任務なので城では無し、夕餉午後7時だということだ。
大抵の任務の時間は8時から。ゼルダ姫と英傑と共にハイラル城の庭で集合。姫次第で任務は変わる。
入浴は大浴場で。おそらくミファーかウルボザがいるだろう。
大事な事はそれくらいだ。
「ご丁寧にありがとうございました」
「いえいえ、何か分からない点がありましたら、いつでもお申し付けくださいませ」
手を振るのもどうかと思うが、シワが入る笑顔に思わず癒された。
リュックの中の衣類はクローゼットにかけたし、水筒は洗って干しているし、明日の準備も大丈夫だ。
さてと、さっそく、怪しまれないためにも英傑達と仲を深めることにしよう。

城の廊下を歩いていると、食堂の前で侍従が4人駄弁っていた。英傑達は何処にいるのか尋ねてみよう。
「いつになったら、あの力は手に入るんだ」
「あんなの、ただのお伽話かもしれないぞ？」
「出来ない事から逃げて、遺物の研究なんかしちゃってさ」
「無才の姫……ってとこだな」
嘲笑して、姫の陰口を言っている様子だった。私は急に話しかけづらくなり、そっと足を止めた。
姫は信頼されていないのだろうか。まだあの虚ろげな瞳を覚えている。
すると、その4人組から小さな悲鳴が聞こえた。その目の前には青の服をベルトで固定した、金髪碧眼の……確か名はリンクと言ったか、侍従達を見下すように立っていた。
「ひえぇっ、ごめんなさい！」
侍従の1人が声をあげ立ち去ると、次に続くように3人も逃げていった。
そんな侍従達を冷たい視線で見つめるリンク。すると、振り返りざまに私と目があった。