イーガ団の幹部 (ページ26)

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ゼルダ姫ページ26

気づくと私はベットの上にいて、その横には心配するようにゼルダ姫とミファーが腰かけていた。
｢あれ……ここは｣
｢気付いたのね……！｣
ミファーがほっとして、私の握っていた手を緩める。
｢私、確か……｣
｢Aさんは図書室の椅子に座ったまま倒れ込んでいたんです｣
とゼルダ姫が心配げに事細かに話し始める。
……おかしい
私は謎の書斎にいたはずなのだ。
私が過呼吸になって意識を失ったのも、その部屋の中。
｢椅子に座って、ですか……？｣
｢ええ｣｢うん｣
2人の嘘は見抜きやすい。だが、その様子だと嘘をついていることはなさそうだった。
じゃあ、一体誰が……
2人はそれからも私の心配をして話しかけ続けているが、全然頭に入ってこない。
私を椅子に運んだのは、あの書斎がバレては行けない場所だから、という理由しか考えられない。
あの書斎の持ち主は一体……
｢……A！｣
｢あ、すみません……｣
ゼルダ姫にいつもより大きめな声で名前を呼ばれると、やっとそっちに意識を向けることが出来た。
｢まだ無理しているのでは？｣
困って眉を下げているゼルダ姫を見ると、こっちも気分が沈んでしまう。
｢私は大丈夫ですよ！この通りです｣
上半身を勢いよく起こして、力こぶを作ってみせる。ふふっと笑ったゼルダ姫は、1度ミファーの方を見ると、席を外すように促した。
｢少し、身の上話をしても良いでしょうか｣
珍しくゼルダ姫が自分を語る。
私は驚き、焦って返事を返した。
｢私は幼い頃から封印の力を付けるために、日々努力を積み重ねてきました｣
度々向かう泉への修行の事だろう。
｢しかし、私はまだその力を己の物に得た事が1度もありません。情けない事に、私は城のものに無才の姫だと言われているそうです」
……姫はその事を知っていたのか。
それは私が初めてここへ護衛騎士として配属された時の出来事だ。その後に私はリンクと知り合ったんだ。
｢私がそう言われるのも無理ありません。本当に実力が無いのですから｣
姫はそう言うと、窓の方をふと見つめた。その先には修行するダルケルとリンクとリーバルがいる。
おそらく彼女の視線の先はリンクだろう。
｢……そんな私に護衛騎士としてついているのが、退魔の剣を持った彼、リンクです｣
姫はまたあのころのような冷たい目に戻った。
｢彼にはどんな才能もあります。周囲の声に十分答えたれるくらいの、剣術が」
姫はため息を吐いた。