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秘密の書斎 ページ25

次の日。
私は朝餉の前にゼルダ姫を食堂の扉の前で待っていた。それはもちろん、昨日買ったリトの服をゼルダ姫に差し入れするためだ。
よく良く考えれば、暗殺の対象になんで私はこんな物を買っているのか……
まぁそんな事は深く考えなくていい、私は元々買い物が大好きだから、そのついでだと思っておくことにしよう。

服の入った紙包みを胸に抱えながらゼルダ姫を待っていると、ダルケルがこちらへやってきた。
「これが例の姫さんへの差し入れか?」
「はい!そうです!……姫様喜んで貰えるといいんですけど」
「大丈夫だ!姫さんならきっと喜んでくれるぜ」
ニカッと笑うダルケルの笑顔は、私に勇気を与えてくれた。
「ありがとうございます」
私も笑い返して、英傑達が全員食堂に入っていくのに挨拶した後、ゼルダ姫がやっとこちらへ歩いてきた。
「姫様!おはようございます」
いつもより大きな声で礼をすると、ゼルダ姫は少し驚いた様子で微笑みを返された。
「おはようございます。……その包みは……」
胸に抱えていた物に目線を向けられると、待ってましたとでも言うように紙包みを差し出した。
「昨日リトの村で手に入れた服でございます。 」
「まぁ……!」
ゼルダ姫はたいそう目をキラキラ輝かせて、その紙包みを大切そうに受け取った。
ぎゅっと抱き締めるかのように、嬉しそうな顔をしている姫をみて、何だかこっちも嬉しくなった。
「喜んで貰えたようで嬉しい限りです」
にぱっと笑ってみせると、姫様も今まで見せた笑顔で1番嬉しそうに笑った。

それから朝餉を済ませたあと、9時からのハイラル城内での任務までには時間があったので、私は図書室へと足を運んだ。
大きな扉を開けて本を選んでいると、ふとそこの本棚が動くことに気付いた。
これは……
怪しげに思い、周囲に誰もいないことを確認すると、その本棚を動かした。
そこには小さな部屋があり、机の上には一冊の本が置かれていた。
「何だろう、これ」
恐る恐る、触れてはならないような気がするも本を手に取ってみる。
「なにこれ……」
その本の中にはありとあらゆるハイラルの歴史、マスターソードという退魔の剣の事が事細かに記載されていた。
驚いて本をバッと手放すと、父を失った時の記憶が鮮明に蘇ってきた。
優しかった父はハイラルに殺された。
再び沸きあがる憎悪と怒り、悲しみに私の頭は混乱し、遂に過呼吸を起こした。
「っは……ぁ、ぁ」
声を出そうともパニック状態に陥り声が出せない。

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設定タグ:ゼルダの伝説 , ブレスオブザワイルド , 夢小説   
作品ジャンル:ファンタジー
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作者名:rikorisu | 作成日時:2020年3月25日 16時

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