リーバル2 ページ23
幸いリーバルに助けられた私は、リトの村から少し離れた所へ届けられた。
リーバルは君はもっと体重を落としたらどうだい？と呟いている。
私はというと、まだ呆気に取られていた。
あの様な危険な状態に陥って、もしリーバルに助けて貰えなかったらゼルダ姫暗殺も成せなかったのだ。
それに、他人に助けてもらうという状況も私にはあまりなかった。小さい頃から全て自分の力でこなして来たので、今は自分の不甲斐なさにも気を落としていたのだ。
｢……うんとかすんとか言ったら？｣
｢……本当に、ありがとうございました｣
我に返り、リーバルに向き合うと深くお礼をした。
｢君は早く昼でも食べに行ったら？｣
｢……！それはいけません！｣
｢まだ怪我でも？｣
リーバルの視線がちらりと私の足に向けられたので、見てみると丁寧に包帯が巻かれていた。
そういえば、ズキンと足が痛む気がする。
｢貴方をお昼に誘えるまでは帰りません……｣
するとリーバルは大きくため息を吐いて、わかったよと頷いた。
立ち上がるリーバルの足を見ると、彼も少し怪我をしているようだった。
｢その足……！｣
｢っ触るな｣
足へ伸ばした手は、リーバルの羽によって跳ね除けられてしまった。
｢でも腫れています｣
そこにあった包帯を手に取ると、またリーバルの元へと向かう。
彼の足はおおきく腫れていて、私を支えた際に出来た怪我だということがすぐにわかった。
｢ごめんなさい……｣
申し訳なく思い謝ると、リーバルは手を再度はねのけて
｢ボクは怪我なんかしてないよ｣
とツンとそっぽ向いた。
……あぁ、リーバルはプライドが凄く高いんだ。故に怪我をしたところを皆に見られたくないのだ。
そう確信して、私もプライドが高いからリーバルに同情するような気持ちを覚えた。
私は足の包帯に手をかけると、巻かれた方向とは逆に手を動かして、外し始めた。
｢は？……何してるの君？｣
｢外してるんです｣
｢見れば分かるよ｣
リーバルは唯私の不可解な行動を淡々と見つめている。
包帯を全て外し終えると、
｢私は強いのでこんな怪我へっちゃらです！｣
なんて事ないんです、と付け加えて歩いてみせる。右足が地に着くたびに痛みが広がったが、なんとか笑ってみせた。
リーバルはあっけらかんとしていていたが、やがてふっと笑みをこぼして
｢君はほんとに変な奴だね｣
と私に背を向けて歩き出した。
｢どこへ？｣
咄嗟に声をかけると、リーバルは呆れたようにこちらを振り返った。
｢姫達の元だよ｣
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作者名：rikorisu | 作成日時：2020年3月25日 16時
