【薄桜鬼】ブラコンの妹ちゃんが恋をするのは、誰でしょう？

16話　　　斎藤side ページ17

斎藤 「…寄り道をするぞ。A。」

冬原 A、海斗、結衣、渚。
どれをとっても、俺にとって、組にとって厄介だろう。

ただ、Aは、違う厄介さだと思う。
”寂しがり屋”という類であろう。
今、俺が感じているのは、「ほっておけない」といったところか。

斎藤 「A。」

貴 「はい、何でしょうか？」

先程、あのような辛そうな顔をしたばかりというのに、
なぜ、笑う？なぜ、何も無かったかのように振る舞える？

気づくと、俺はAを抱きしめていた。

貴 「さ、斎藤さん？」

斎藤 「A、何にそう怯える必要がある？
　 それでは、昔の俺と一緒だ。
　 俺は、土方さん達に出会えたから、よかったものの
　 お前の周りには、誰もいない。いて、冬原 花ぐらいだろう。」


Aの、息をのむ音が聞こえる。
泣きかけている。しかし、必死にこらえている。


斎藤 「影がどうあろうと、あんたはあんただ。
　 しかし、それだけでは影に呑まれてしまう。
　 だから、俺がそこから助け出す。」


どうやって息を継いだのか、分からない。
俺は、Aを助けたい。ただ、それだけだ。

―今、思えば俺はすでに、あんたに惚れていた。
だからこそ、助けたかったのかもしれん。

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