【浦/島/坂/田/船】私の彼氏さん。【短編集】

＊ ページ25

志麻Side


滞りなく授業が全て終わり、部活へ行く、帰る、などの色んな理由で、人が教室から出ていく。



「志麻、私たちもかえろ」

「おう、」


…



学校を出てAと歩く。

俺が帰ろって言うてんから当たり前やけど、それでもAが隣を歩いてるこのシチュエーションにニヤニヤする。


…バレへんようにマフラーで隠してるけどな。



少し歩くと、イルミネーションをやっているためかカップルが多く見られた。



「ええなぁ」

「いやキモイ」


素直に思ったことを口に出したらAからの厳しいツッコミ…俺心折れるわほんま。



「そーいや、これ、やるわ」


機嫌を取ろうと持ってきていたマフラーを出した。
今はマフラーつけてへんし、ちょうどええやろ。



「なに、これ。あけていい？」

「ん、ええよ」



少し立ち止まって中身を見たAはどこか嬉しそうに見えた。



「え、これもらって大丈夫？…かわいい」

「お前にやるって言うとんねんから貰っとけ。」



いつも反応冷たいけど、今はなんとなく喜んでる気がする。って、早速付けてるし。



「可愛いで、その色似合っとる」

「キモイ」



またそれか、と思って少しムッとする。

だが、今回は俺も負けん。








「俺もリア充なりたい」

「キモイ」


「せやな」

「キモイ」


「帰ったらゲームしよかな」

「キモイ」


「彼女欲しいわ」

「キモイ」


「うるさいわ。あーあ、お前が彼女やったらな」

「キモイ」


「お前さっきからキモイキモイってなん…

え、なんで顔赤くなって」




俺があげたマフラーとは裏腹に、赤くなっている彼女の顔。


これは照れてるってことでええんか…？





「なあ」

「キモイ」

「Aのこと好きやねん。ほんまに俺と付き合ってや」



「…っ」



Aはしばらく口を開かず、少ししてから微かに首を縦に動かした。





…



「そういや高校の時ここで告白したなぁ。

あ、ちょうどそのマフラーあげた時やん！」


「うるさいキモイやめて」




あの時と同じように俺の隣を歩き、


あの時と同じように暴言を吐く彼女の顔は、





＿＿＿あの時と同じように真っ赤やった。





違うんは、彼女の名字だけ。




＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


閲覧ありがとうございます(*^^)v

最後、何年後の話かはご想像にお任せで…ｗ



キモイのくだりはTwitterよりお借りしました。


それにしても題名を付けるコツを知りたいです。うーむ。

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