Good Old Days 039 ページ5
引退式まで少し時間があったので、私と真太郎と和成で演物の最終調整をしていると、同じ1年の部員が話し掛けてきた。
「あの、A。レギュラーの先輩に渡す、メッセージアルバムと花束のことなんだけど」
ああ、あれか。いつかにそんなこと話してたな、と記憶を掘り起こす。私の記憶が正しければ、あれは確か和成と真太郎が代表して渡す手筈になっていた、ハズ。
本来ならば、メッセージアルバムというものは2軍の先輩にも書かなければならないものなのだろうけど、ウチは1軍と2軍では使っている体育館も違うので、ほぼ接点がないのだ。
だから、2軍の人へは書きたい人だけ書いて、というスタンス。割とドライな部分もあるんだ、なんてびっくりした。
「メッセージカード、あれさ、なんか案外かさばるから1人では持ちきれないらしいんだ。だから、是非Aが渡して欲しいんだけど」
おずおずと言うチームメイトに、何と返答すれば良いのか暫し思考を巡らせる。私は、勿論先輩方にお世話になった。
だから、自分の手で渡せたらきっと嬉しい。でも、選手でもない私が出る幕ではないんじゃないか。
そもそもの問題だけど、私よりも可愛がられてた後輩なんて沢山いるだろう。
「ごめん、私より相応しい人いると思うよ。ホラ、私って影から支える縁の下の力持ち的な大和撫子の美人マネージャーポジ狙ってるからそんな出しゃばるつもりないっていうか」
「そんなこと自分で言ってる時点で無理だから諦めて。ハイ、Aで決定!」
半ば強引に決められてしまうけど、仕方がない。どうせ、これ以上遠慮しても堂々巡りになるんだろうから引き受けるつもりだったから。
そう思い、また演物の練習に戻ろうとするとまたモブ太郎(これ以上は名無しだといちいち面倒なので、モブ太郎とする。いや、勿論本当の名前はあるんだけどオリキャラ出しすぎない方がいいからさ)に引き止められて、
「あ、言い忘れてたけどメッセージアルバムは何か1言感謝の言葉添えて渡せよ」
とまた面倒臭いことを押し付けられる。
私、先輩方に言いたいこと、全部メッセージカード12枚分に詰め込んだよ?
あれでも大分削った方なんだけどね。先輩に感謝の言葉を伝えるんだとしたら、1言どころじゃ足りない、絶対。
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ふなふね(プロフ) - コメントありがとうございます……! すごく力になります! 作者はこれから多忙になることが予想されるのでそれまでにガンガン更新していきたいと思うので見捨てずこれからもこの作品をよろしくお願いします! (2023年3月19日 8時) (レス) id: 7172b187f5 (このIDを非表示/違反報告)
和‐カズ‐(プロフ) - ふなふねさんの、この作品めっちゃ好きです!これからも更新頑張ってください! (2023年3月19日 7時) (レス) @page19 id: 5655eee53b (このIDを非表示/違反報告)
みかん - やっぱり作り直すのやめて、パスをもう自分でもメモしないとわからないやつにかえました!お互いに頑張りましょう! (2022年6月27日 16時) (レス) id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
ふなふね(プロフ) - みかんさんヘ―ありがとうございます。お互い頑張りましょう。水無月歌恋さんへ―目を通してくださりありがとうございます。励みになります。 (2022年6月26日 20時) (レス) id: 350748c4de (このIDを非表示/違反報告)
みかん - はい!私が占いツクールで小説書こうと思ったのふなふねさんのおかげですから!後、私の駄作を読んでくださってるんですか!ありがとうございます!荒らされた件でもう一度作り直しますのでまっていてください! (2022年6月26日 15時) (レス) id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふなふね | 作成日時:2022年4月21日 21時