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Good Old Days 054 ページ21







 ホークアイを駆使して必死に私を守ろうとしてくれる和成。


「クソッ、人が多すぎる……!」


 以前、どうやらホークアイは人混みの中だと、その広い視野が仇となって逆に効果が薄れてしまう、と中谷監督の言葉を思い出す。


『高尾、お前は試合以外はなるべくホークアイを使わないように。コートの中には10人しかいないからなんとかなるが普段から目を酷使すると、日常生活をおくるのも難しいほど視力が落ちる可能性がある』


 まずい。和成の目に負担をかけるわけにはいかない。だって、和成がバスケできなくなれば、秀徳は――


「待って! 和成」


 私の手を取って走る和成の裾をくいと引いて立ち止まる。


「A? ごめん、速く走りすぎたか?」


 心配して私の顔色が悪くないか確認してくれる。


「違う、私は大丈夫。でも和成、こんなことでホークアイ使っちゃダメだよ。ありがたいけど、私のせいで和成の目が悪くなっちゃったらイヤだよ」


「こんなことってなんだよ」


 少し語調が変わった和成に驚いて、彼の顔を見上げる。


「オレは、Aが知らないヤローにつけられてるのは“こんなこと”で済ませられねえ。Aが怖がってんのほっとくほど薄情じゃねえよ」


 そう言うと、和成は優しい手つきで私の手を両手で包んだ。


「ホラ。さっきまであんな手ぇ震えてたけど、オレと一緒なら怖くないだろ?」


 言葉に詰まった。本当は私のせいで和成に負担をかけたくないのに、和成が私のために奔走してくれて安心している自分に気付いてイヤになる。




 

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設定タグ:黒子のバスケ , 高尾和成   
作品ジャンル:アニメ
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ふなふね(プロフ) - コメントありがとうございます……! すごく力になります! 作者はこれから多忙になることが予想されるのでそれまでにガンガン更新していきたいと思うので見捨てずこれからもこの作品をよろしくお願いします! (2023年3月19日 8時) (レス) id: 7172b187f5 (このIDを非表示/違反報告)
和‐カズ‐(プロフ) - ふなふねさんの、この作品めっちゃ好きです!これからも更新頑張ってください! (2023年3月19日 7時) (レス) @page19 id: 5655eee53b (このIDを非表示/違反報告)
みかん - やっぱり作り直すのやめて、パスをもう自分でもメモしないとわからないやつにかえました!お互いに頑張りましょう! (2022年6月27日 16時) (レス) id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)
ふなふね(プロフ) - みかんさんヘ―ありがとうございます。お互い頑張りましょう。水無月歌恋さんへ―目を通してくださりありがとうございます。励みになります。 (2022年6月26日 20時) (レス) id: 350748c4de (このIDを非表示/違反報告)
みかん - はい!私が占いツクールで小説書こうと思ったのふなふねさんのおかげですから!後、私の駄作を読んでくださってるんですか!ありがとうございます!荒らされた件でもう一度作り直しますのでまっていてください! (2022年6月26日 15時) (レス) id: 1980a86d42 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふなふね | 作成日時:2022年4月21日 21時

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