10話 作戦開始 ページ11
大きく佇む門が、その存在感を露にしている。
その門に、大小様々な七つの影が写っていた。
「...ペコ」
「...はい！」
そのうちの一つ、上下をジャージで決めた男が隣の少年に声を掛けた。
己より幾分か小さいその少年は、キリリとした表情で応える。
彼は一歩前に歩みでて、両手を合わせて何やら言葉を唱えて出した。
ぶつぶつと口の中で発せられるその言葉は後ろの者には聞こえてはいない。
「...臨、兵、闘、者、皆、陣、列、在、前！」
縦、横、縦...と指で空を切るその少年。
陰陽道の呪術の一つ...九字である。
ﾊﾟﾘﾝｯ
刹那、目の前に立ち憚る門が割れた...否、“本丸を覆っていた結界”が破壊されたのだ。
少年が一息吐いてから後ろを振り返る。
「結界の処理完了...後は頼みます、皆さん」
『...了解、任せとけ』
少年の言葉に、この場にいる唯一の少女が頷いて応えた。
「よし、じゃあ...おっ始めるか」
長髪の男が、何の護りもなく剥き出しになっている門を思いっきり蹴破った。
・
『オラァ！！』
斬り付け、走り抜ける。
獲物を手にした少年少女が、中庭にて戦闘を繰り広げていた。
彼らの目の前にいるのは、何れも傷を負った刀剣男士たちである。
脇腹や腕を伝う血液がなんとも痛々しいことか...
『...っ、クソが！！』
白い羽織を翻し、自身と同じくらいの刀を振り回す少女が慟哭する。
次々と出てくる刀剣たちに、同じ短刀である薬研藤四郎を倒し終えた太鼓鐘が大きく舌打ちをして己の主を仰ぎ見る。
「主！このままじゃ消耗戦一方だぞ！！」
『チッ...ダルニート！どうすんだ！！』
太鼓鐘の言葉に舌打ちをした少女が、斜め前で拳を奮う男に声を掛けた。
因みにその男、通常なら腰にある筈の獲物が無く、代わりに金属製のナックルが提げてあるだけであった。
「脳筋！お前は隊員連れて審神者やれ！
和泉守はオカマックス達の捜索！
周りの奴ら刀剣たちは俺がやる！！」
斬りかかってきた蛍丸を相手に、周りの仲間にも聞こえるように大声で叫ぶその男。
『...分かった、任せる』
襲い掛かってきた刃を交わし、少女が己の部下を呼んでその場から遠ざかる。
同期であり、総隊長である彼を信じ、命令通りに審神者を探すことに専念した。
和泉守も同じく、オカマックスたちを探しに走る。
『死ぬなよ！！』
「そっちこそな！！」
お互いの、顔は見なかった。
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ハルヒ(プロフ) - 臨兵闘者皆陣烈在前…アカン妖界ナビ・ルナしか浮かばんかった…そしてこの小説がとても好きです…ゆっくりでいいので更新待ってます…杏仁豆腐さん大好きです…(*￣ii￣)ﾊﾅｼﾞﾌﾞｫｫｫ← (2017年11月28日 14時) (
レス) id: 852ed5590a (このIDを非表示/違反報告)
杏仁豆腐(携帯)(プロフ) - アッシュさん» その点に関しては申し訳ありませんでした。只今設定の方を載せましたので、何か不便な点がございましたら言ってください。 (2017年11月6日 22時) (レス) id: c00500378b (このIDを非表示/違反報告)
アッシュ(プロフ) - 設定無いのですか？初っ端から話が始まって何が何だか分からないです… (2017年11月6日 21時) (レス) id: 780afa92f9 (このIDを非表示/違反報告)
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