7話 どうして ページ9
鶴丸side
俺が分霊として鍛刀された場所は、俗に言うブラック本丸だったようで。
本丸内では、何時も誰かの叫び声が谺していた。
しかし、どんなに助けを乞おうとも...どんなに止めてくれと泣き付こうとも、その行いは止まることを知らなかった。
ある日、あいつは言った。
“短刀を、折れ”...と。
“さすれば、変わりにお前を折ってやる”...と。
ボロボロに傷付けられ、畳に脱力している粟田口の短刀を指差してそいつは言った。
酷く痛快な、笑みを浮かべて。
俺は断った...仲間は、折れなかった。
＿＿＿残念だ
＿＿＿お前は要らない
＿＿＿消えろ
薄れ行く意識の中で、あいつの言い放った言葉は、今でも目を瞑ればすぐに思い出せる。
脳裏で繰り返される度、俺は“人間”という愚かで醜い生き物のことを信じることが出来なくなっていった。
「俺、は...何時でも、君の首を飛ばせる。
君の身体を、切り刻むことが出来る...だと言うのに、何故だ...
...どうして！！」
『...』
首もとに刃が迫っているというのに、目の前の男は直立不動のままであった。
この場の空気に全くもって似合わない程の、無邪気な笑みを浮かべたままであった。
斬れば血が出る、刺せば死ぬ...所詮人間は、脆く醜い。
その筈なのに...どうして？
この男の言うとおり、“自分は違う”から？
だから、死を恐れないのか？
だから、笑顔のままで居られるのか？
「どう、して...！」
俺には、分からなかった。
らしくない嗚咽を吐き、涙に歪む視界で男...Aに問い詰める。
彼はまだ、笑ったままであった。
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あ - 更新待ってます (2017年11月29日 1時) (
レス) id: e1ae95dbc2 (このIDを非表示/違反報告)
柚希 - 面白いです！続きが気になります。更新楽しみに待ってます(゜∇^d)!!(゜∇^d)!! (2017年4月30日 10時) (レス) id: 725f51c669 (このIDを非表示/違反報告)
ぬっこりアロエ - 1でｯ!!!!! (2017年3月21日 20時) (レス) id: 0d3966aac5 (このIDを非表示/違反報告)
トゥクルカ(プロフ) - 1でお願いします！続き楽しみにしてます！ (2017年3月20日 11時) (レス) id: 77391b8609 (このIDを非表示/違反報告)
ヴェルさん(プロフ) - 2が良いです。鶴丸にはホワイト本丸の味を知ってほしいです…ブラックな家族が顕現したら耐えられないとも思いますし... (2017年3月20日 11時) (レス) id: 8a36f75a5a (このIDを非表示/違反報告)
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