25話 要らない存在だなんて ページ27
「...の、やろ！！」
咄嗟に立ち上がり、鼻を鳴らすAへと掴み掛かっていた鶴丸。
掴んだままの状態で壁まで押しやり、その背中に力強く押し付けた。
『...っ、何んだよ！！
山姥切に本当のこと言われて、ピーピー泣いてたクセに！！』
「煩い！！黙れ！！
人間のクセに、偉そうなこと喚くな！！」
胸ぐらを掴んでくる鶴丸の腕を鷲掴み、Aは鋭い目付きで彼を睨み付けた。
しかし、鶴丸は離そうとはしない。
それどころか、押し付ける腕に更に力を込めた。
「どうせ君も同じなんだろう！？
何も出来なかった俺を、心の中で嘲笑っているんだろう！！？
何が“項目に入っていない”だ...何が“俺は違う”だ！！
お前を信じた、俺が馬鹿だった...！」
唇を噛み締め、鶴丸は顔を俯かせた。
Aの胸ぐらを掴み上げている、自身の手に視線をやる。
彼の白い頬を、一筋の涙が伝っていった。
『...っ、なら！！』
ダンッと、自身の胸ぐらを掴んで離さない鶴丸を畳に押し倒すA。
突然の反撃に、鶴丸は成す統べなく後頭部を強打させた。
キッと睨み付けてくる黒ずんだ瞳を、二つの青緑が居抜いていた。
『強くなりゃいいだろうが！！
もう誰にも、“要らない存在”だなんて言われないほどに！！
証明すりゃいいだろうが！！
戦場に立てることを...“立ってもいいと言うこと”を！！』
「...っ！」
Aの叫びに、鶴丸は言葉を詰まらせた。
その大きく見開かれた黒い瞳が、ゆらゆらと揺れ動く。
そんな鶴丸に、Aは更に言葉を続けた。
『役に立たないと、誰が言った...駄目な刀と、誰が言った！！
いいか！？お前を蝕む奴は、もう居ない...お前が恐れるものは、何もない！！
...それでもまだ、折れたいと言うのなら...この俺がぶん殴ってやる』
肩で息をしながら、ソッと鶴丸の上から身を退いたAは一つ息を吐いた。
畳に倒れる鶴丸に手を差し伸べ、眉間に寄っていた皺を解消させる。
『...ッスから、覚悟しててね？』
「...っ、」
口調を荒げてしまったことに対し、少し気まずそうに視線を反らす。
こほん、と咳払いをしながら未だに起き上がろうとしない鶴丸の腕を掴み上げた。
何の抵抗もなく引き上げられた白い彼を視界の隅に捉えながら、Aは部屋を後にした。
「...俺に、どうしろってんだ」
一人残された鶴丸の、涙ぐんだ声だけが響いていた。
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あ - 更新待ってます (2017年11月29日 1時) (
レス) id: e1ae95dbc2 (このIDを非表示/違反報告)
柚希 - 面白いです！続きが気になります。更新楽しみに待ってます(゜∇^d)!!(゜∇^d)!! (2017年4月30日 10時) (レス) id: 725f51c669 (このIDを非表示/違反報告)
ぬっこりアロエ - 1でｯ!!!!! (2017年3月21日 20時) (レス) id: 0d3966aac5 (このIDを非表示/違反報告)
トゥクルカ(プロフ) - 1でお願いします！続き楽しみにしてます！ (2017年3月20日 11時) (レス) id: 77391b8609 (このIDを非表示/違反報告)
ヴェルさん(プロフ) - 2が良いです。鶴丸にはホワイト本丸の味を知ってほしいです…ブラックな家族が顕現したら耐えられないとも思いますし... (2017年3月20日 11時) (レス) id: 8a36f75a5a (このIDを非表示/違反報告)
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