11話 審神者の扱い ページ13
「兄弟か！？...って、秋田じゃねぇか！！」
数秒後、バタバタとした足音と共に駆け付けてきた薬研は、泣いている自身の兄弟を見て目を見開いた。
すぐさま駆け寄り、Aを押し退けてそのふわふわとした桃色の頭を撫でてやる。
押し退けられたAは、ぐぇと気の抜けた悲鳴を上げて尻餅を着いた。
「俺っちが来たからには、もう大丈夫だ。
そこで転んでる変質者は俺っちの大将でな...何かあれば、すぐに呼んでくれ。
絞めてやるから」
『実の主を変質者呼ばわりッスか...って、なんか俺が悪いみたいになってるんスけど！！？』
「黙れ、変質者。
俺っちの兄弟が怖がってんだろうが」
『酷い！！』
泣き真似を始めるAを足蹴にしながら、未だ泣きじゃくっている子ども...秋田藤四郎の涙を指先で拭い取ってやる。
余りにも刀剣たちの扱いが雑であるこの本丸の主に、部屋の隅で傍観していた鶴丸は、Aに向かって哀れみの目を向けていた。
『て言うか、秋田を泣かせたのは俺じゃないッスよ！！？
完全に濡れ衣ッス！！』
「ひっ...！」
「よっし、首を差し出せ変質者」
『変質者じゃないし、それ違う刀剣の...って、待って待って待って薬研様、』
「問答無用」
『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ！！！？』
誤解を解こうと、薬研に詰め寄るA。
そんな彼の必死の形相に、薬研の後ろで隠れていた秋田が小さな悲鳴を上げて涙を浮かべる。
慈悲はない...薬研は恐ろしいほどの微笑みを浮かべ、帯刀していた獲物に手を掛けた。
制止を掛ける変質者の叫びも虚しく、次の瞬間には命を賭けた鬼ごっこが幕を開けていた。
「...不憫なやつ」
獲物を振り上げ猛追する薬研に、斬られまいと全力疾走するA。
そんな彼らに、鶴丸は笑い声を漏らすのであった。
...Aに巻き込まれ、一緒になって逃げることになるまでは。
『よっし、つるたん囮になるッス！
その隙に俺が逃げるから！！』
「はぁ！？絶対嫌だ！！
君が逝け！！」
『元はと言えば、つるたんが...』
「薬研の怒りを買ったのは君だろ！？」
「首落ちて死ね！！」
『だから、それ違う刀剣の！！』
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あ - 更新待ってます (2017年11月29日 1時) (
レス) id: e1ae95dbc2 (このIDを非表示/違反報告)
柚希 - 面白いです！続きが気になります。更新楽しみに待ってます(゜∇^d)!!(゜∇^d)!! (2017年4月30日 10時) (レス) id: 725f51c669 (このIDを非表示/違反報告)
ぬっこりアロエ - 1でｯ!!!!! (2017年3月21日 20時) (レス) id: 0d3966aac5 (このIDを非表示/違反報告)
トゥクルカ(プロフ) - 1でお願いします！続き楽しみにしてます！ (2017年3月20日 11時) (レス) id: 77391b8609 (このIDを非表示/違反報告)
ヴェルさん(プロフ) - 2が良いです。鶴丸にはホワイト本丸の味を知ってほしいです…ブラックな家族が顕現したら耐えられないとも思いますし... (2017年3月20日 11時) (レス) id: 8a36f75a5a (このIDを非表示/違反報告)
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