93sはいつも以心伝心 (ページ38)

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それだけは覚えておいてね。そう釘を刺されて部屋から追い出されてしまった。
でも実際にグループ存続の足枷になっている私に何ができるのか。

YG「おい」

『っ！ユンギ…？』

YG「お前、何勝手に自分で決めてんだよ」

『…聞いてたの？』

YG「次のアルバムに入れたい曲あったから、相談するためにここに来たら…とんでもないアホ発言が聞こえてきたから」

『アホって…』

YG「お前も来い」

『え、』

YG「失礼しまーす」

PD「今度はユンギ…ってあれ？捕まったの？」

YG「このアホにも聞かせたくて連れてきました。次のアルバムに入れたい曲があるですけど聞いてもらえますか？」

PD「流石だね！どれどれ？」

訳もわからず隣に座って、ユンギが流す曲を聞く。

何これ…すごく綺麗なメロディー。ガイドはピアノの音だけどそれがなんだか切なくて引き込まれた。

PD「うむ…まだまだ手入れは必要だけど、いい線いってるね。」

YG「ナムジュナと話して"花様年華"の意味をもう一回考えたんです。そしたら"青春"と一緒だなってなって。青春時代の葛藤とか、俺らなりの言葉で歌詞に盛り込めるかなって」

PD「うん、流石はナムジュナとユンギだね。僕もその考えだよ。ね？言ったでしょ？」

PDニムは私の顔をみてそう言った。

PD「今回からプロモーションもストーリー仕立てにしたくて…青春をテーマに長編で考えてるだよね」

PDのその言葉で私の頭の中に一気に映像が流れてきた。

『あ…』

PD/YG「…？」

『それぞれ…悩みを抱えた8人の物語ですか？』

PD「具体的にどんなに悩みだと思う？」

『友情とか家庭環境とか…やりたいこと、叶えられなくて苦しむ…とか』

PD「うんうん。8人はそれぞれバラバラ？」

『はい、悩みは皆んな違うけど…離れ離れじゃないです。
なんか…こう、切っても切れないような…』

PD「続けて」

『仲もいいけど、いざこざもあって素直になれなかったり、喧嘩したり、でも最終的には皆んなで楽しい日々を過ごすっていう…』

PD「…」

『8人皆んな仲良いけど、ペアでフォーカスした話もいいですね。やっぱり、より深く繋がってる存在というか…特に仲のいい人ってどのグループにもいるから…』

YG「お前みたいに消えて行こうとするやつを引き戻す役も必要だな」

『…ごめんなさい』

ユンギは項垂れる私の頭を乱暴に撫でた。