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夜空に浮かぶ月の明かりは、蝋燭も灯っていない程暗い私の部屋を優しく照らしている。そんな月の位置から見るに、現在時刻は恐らく午前２時ほどだろうか
『眠れない…ﾊｧ』
ホールでらっだぁ様とコンタミ様と分かれた後、チーノが疲れたことを口実にしてくれたは言いものの私にはまだやることは沢山あった
お母様とお父様に言われた殿方とのダンス、残っていた約３０名程の来賓の方の選別…心身共に悲鳴をあげてしまうのではないかと思うほど疲れているはずなのにも関わらず、何故か一向に睡魔は襲ってこない
ここまでくると、逆に目が冴えてきてしまっている気までしてくる
(どうしようか…)
この時間に未だ寝ていないことがお母様達バレでもしたら…過去の経験からくる想像だけで身震いしてしまう
私の為を思って言ってくださっている事はもちろん承知の上だが、それ以上にあの“痛み”に対する恐怖が勝ってしまうのだ
(親の心子知らず、とはよく言ったものよね)
前に文献で読んだ東方のとある国の諺…というものを思い出す
あれは親の立場から子に対しての言葉だったが、今の自分の状況当てはまるのではないかとふと思ったからだ
私は今まで体を冷やさぬよう自分の上にかけていたブランケットを取って立ち上がり、近くに畳まれて置かれていたナイトローブを軽く羽織った
(チーノは…流石にこの時間じゃ寝てるかな、メイドを呼ぶのも気が引けるし)
『多分、呼んだとしても来てくれないでしょうし』そうあまり大きくない声で呟けば私しかいないこの静かな部屋には妙に響く
彼女達の私を見るあの冷たい目はどこかお母様が怒った時の表情に似ていてどうも少し気まずいのだ。まるであんな子に自分が仕える必要は無いだろうと思われてるようで
『…早く寝なくちゃ』
私がもっと完璧にお父様とお母様の言うことを聞けば私は将来立派な女王になれる。そうすれば彼女達もきっと…
半分願望のようなことを考えながら少しだけ冷えてしまった体を温めるため、白湯を飲もうと思い立った私は静かに自分の部屋を出る
お母様に見つからないよう歩いていればコツ、コツ、と自分の靴音が壁に反射して返ってくる。否が応でもこの場には私しかいないことを理解してしまう
『静かだな…』
普段は見ない私の知らないこの城の夜の顔。いつも見慣れている廊下でもその長さゆえに奥の方は暗がりだった
けれど、そんな暗闇の先から何か声のようなものが聞こえてくる
「〜〜！〜…！」
『誰…？』
一度気にかけてしまえば、自然と足は声のする方に向かっていた
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名無し - 皆さんの魅力を引き出す素敵な作品ですね！ストーリーの構成や展開、比喩や日本語の使い分けに心を打たれました。そして続編に行くタイミングが絶妙でより続きに興味を引かれました。まだ続編があるのにも関わらず、コメントしてしまいすみません。お返事は結構です。 (7月20日 21時) (
レス) @page50 id: 0a21e3f2e5 (このIDを非表示/違反報告)
レッドウルフ(プロフ) - NikaRaysさん» ありがとうございます！わ、分けるほどの文才なんて私にはございませぬですよ…しかも天才だなんて…！？全員の魅力をきちんと引き出せているのなら幸いです！これからも是非ともよろしくお願いします〜 (2022年7月22日 20時) (レス) id: 704b4d5265 (このIDを非表示/違反報告)
NikaRays - 好きです。文才分けてください。そして大好きです。全員の魅力を最大限に引き出している。天才ですね、好きです (2022年7月21日 13時) (レス) id: 6125a03033 (このIDを非表示/違反報告)
奥山乃愛(プロフ) - おーいgrさん？cn絶対許さへんで？私も許さへんけど…… (2022年5月23日 5時) (レス) @page50 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
柊 - ｸﾞｱｯついに言った、言ったぞ!!やっべぇ心臓が発作おこしちまうぜ。(テスト明けと大会二日連続で眠くて頭おかしいです。) (2022年5月22日 22時) (レス) @page50 id: 98cd497361 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レッドウルフ
| 作成日時：2021年11月26日 22時
