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元より我々国がこの生誕祭に参加したのも同等の理由。個人個人ではまた違った目的はあるだろうが、全体を大きく纏めてしまえばそれだけだった
つまりグルッペンという男は今この状況でA・クランウェル以外の人間に対して興味が皆無と言っていいほどない
例えるならば…人は、過去にたった一度だけ話したことある人物の名を、顔を、性格を、全て覚えているだろうか？
否。超人的頭脳でも持たない殆どの人間には限り不可能だろう
gr「あー…っと？」
長ったらしくなってしまったが、故にA・クランウェルという絶大なる興味の前で、彼は関心のない人物の名など覚えているはずもないのだ
そんな彼の発作の副作用とも言えん事態をトントンはいち早く察し、助けに入る
tn「お初にお目にかかります、お会い出来て光栄です。“ファラム・ベルト宰相”」
「いやいや、こちらこそ…休んでいたところ急に話しかけて申し訳ない」
gr(ファラム・ベルト…あぁ、この国の宰相か)
やっとのことで記憶の底から名前と役職を引きずり出したグルッペンは、今まで忘れていたことを悟らせぬ振る舞いでファラムに答えた
gr「ファラム宰相ほどお忙しいであろう人物がわざわざ御足労して下さるとは、我々に何かご要件でしょうか？」
人当たりの良い偽りの笑顔で微笑むこの男、グルッペン・フューラーが一から今の地位まで上り詰めてきた国…それが我々国
それに比べクランウェル王国は、現第１２代目 国王ルイス・クランウェルといわれているほど今迄長たる歴史を紡いできた国
いくら互いに能力差があろうとも、敬意を忘れるわけにはいかない。だから敢えて下手に出るのだ
「実を申し上げれば、私も貴殿の先程のダンスに見蕩れてしまった１人でしてね、」
「我儘を承知で直接賛辞を述べたかった迄です」と仮面を張りつけたように薄っぺらい表情を浮かべ答えるファラム
彼の纏う雰囲気からだろうか、どこか話の本筋はこれでは無いことが感じ取れる
gr「それはそれは…お褒めに預かり光栄です」
tn「……グルさん、気ぃつけや」ﾎﾞｿ
それはトントンも同じだったらしく静かにグルッペンへ忠告の意を込めた耳打ちをした
グルッペンはその耳打ちに答えるように後ろへ視線だけを一瞬だけ送ると、その忠告はすぐにも誠の意へと変わることになる
「ところで、グルッペン総統閣下は我らが第１王女であらせるA様にご婚約を申し込まれたそうで！」
gr「…えぇ、まぁ」
tn「…」
((コイツ、話の変え方下手か))と、２人同時に思ったのは無理もない事だ
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名無し - 皆さんの魅力を引き出す素敵な作品ですね！ストーリーの構成や展開、比喩や日本語の使い分けに心を打たれました。そして続編に行くタイミングが絶妙でより続きに興味を引かれました。まだ続編があるのにも関わらず、コメントしてしまいすみません。お返事は結構です。 (7月20日 21時) (
レス) @page50 id: 0a21e3f2e5 (このIDを非表示/違反報告)
レッドウルフ(プロフ) - NikaRaysさん» ありがとうございます！わ、分けるほどの文才なんて私にはございませぬですよ…しかも天才だなんて…！？全員の魅力をきちんと引き出せているのなら幸いです！これからも是非ともよろしくお願いします〜 (2022年7月22日 20時) (レス) id: 704b4d5265 (このIDを非表示/違反報告)
NikaRays - 好きです。文才分けてください。そして大好きです。全員の魅力を最大限に引き出している。天才ですね、好きです (2022年7月21日 13時) (レス) id: 6125a03033 (このIDを非表示/違反報告)
奥山乃愛(プロフ) - おーいgrさん？cn絶対許さへんで？私も許さへんけど…… (2022年5月23日 5時) (レス) @page50 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
柊 - ｸﾞｱｯついに言った、言ったぞ!!やっべぇ心臓が発作おこしちまうぜ。(テスト明けと大会二日連続で眠くて頭おかしいです。) (2022年5月22日 22時) (レス) @page50 id: 98cd497361 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レッドウルフ
| 作成日時：2021年11月26日 22時
