零度(kwkm) ページ23
--attention--
退社された方(kwkmさん)メインです。
受け付けない方はバックを!
それでも構わない!
という方のみ、
いってらっしゃいませ。
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『………冷たいね』
何を言っても無駄だと思った。
何も言わない俺に、
痺れを切らして。
涙を流して、立ち去る。
別れるときに、
相手を傷つける言葉で、
自分を刻みつけようと、する。
自分が大事な存在だとわからせようと、する。
『…………どっちが』
吐き捨てるようにつぶやいて、
冷えた手をポケットに突っ込む。
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陽が落ちるのが早くなった。
教室の静寂は、
すこし高めの声で破られる。
『あれ。めずらしい、誰か待って…』
『A』
『え』
『カバン、はよ持って』
『……拓朗と帰るとか、ばれたら川上ファンに殺される』
『んなこと心配してんの』
『そもそも幼馴染ってだけで睨まれる』
俺も、お前のことを狙ってる男達に睨まれてっけど。
と、言うのはやめておく。
『………なにか、あった?』
『………あー。俺、期待しすぎてんのかな』
『……期待?』
『つきあう、って。
相手に求めて、自分を押し付ける、もん?』
『…………わたしに、聞く?』
いや、歴代の彼女たちは、みんな同じなのだ。
『そもそもさ、拓朗は相手の女の子のこと好きなの?』
『………見た目は、まあ。』
好きかって、みんな、即答できんの?
長く付き合えば、
いろいろ分かり合える、はずじゃないのか。
『………ちゃんと拓朗が好きな人と、付き合ったら?』
『………そしたら、身、持たんでしょ』
『……じぶんが上に立とうとするから、
うまくいかないんでしょ。
自分の思い通りに行かなくて、当然』
『……………そしたら。
俺は、Aと付き合うことになるけど。』
『…………え、』
『条件満たしてんの、お前しかおらへん。』
『こないだまで彼女いた人の言うことじゃないでしょ……!』
『俺、不利すぎるん、しんどいやろ』
『………意味わかんない。』
Aの顔が朱に染まっている。
……………疼く、胸。この、感情の正体は。
『手、つないでいい?』
『……なんでそうなるの』
………俺はやっと、難問を解く鍵を見つけた。
完了まで、あともう少し。
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『手、つめた』
『そっちこそ』
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みゆ - うーん、全部の作品選べないくらい好きです!!! (6月4日 22時) (レス) @page33 id: 379497ea92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:345 | 作成日時:2022年10月14日 0時