小悪魔の証明【qk】

観察（izw） ページ2

仕事が、終わらない。







忙しいのは、




幸せなことだと




わかっている。






毎日、平等に8時間あるはずなんだ。








『やっぱり、福良さんにお願いすればよかった』





頭を書類の上にのせて、スマートフォンをいじる。








あ、



やばい。



眠い。





ここ数日の残業による睡眠不足で。



俺は、あっさりと意識をとばした。








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とんとん、と肩をたたかれた。





目は完全に、開いていない。







『問題。



最も大きい3桁の素数と、



最も小さい3桁の素数の差はいくつ？』





『は、


はっぴゃく、


きゅうじゅう……ろく。』






『正解。



さすがクイズ王。』






賞品です、と言われて、



目があったかくなる、



使い捨てのアイマスクを渡される。






『そんな、



かわいい顔して眠っていると、



狼さんに襲われますよ』







お先です、の声の後。




ドアが閉まる。




頭がまったく、状況に追いついていない。






やりとりの相手が、




Aであると




気づくまで、あと。

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