.桃 ページ13
＜小瀧side＞
グループでの自分の役割。
最近のグループの中で自分に出来ることを探していたけれど
何も思いつかないままこの日が来てしまった。
だけど今日は。
重岡｢何見てんの｣
藤井｢海外のライブ映像やって｣
重岡｢ふーん｣
藤井｢すごない？この照明。特注らしいで｣
重岡｢ほんまや初めて見た｣
いつものウザ岡とまでは行かないが、
しげからメンバーにコミュニケーションを取っている。
俺と流星が来た時には既に、
楽屋にはいつもの空気感が完成していた。
やっぱり神ちゃんには出来んことなんてないんかな。
ていうか、いつも通りで大丈夫って見抜いてた流星にも
なんか腹が立つ。
｢神ちゃん！トイレ行こ！｣
神山｢おぉ、ええよ？｣
このモヤモヤを晴らすため、2人で楽屋を後にした。
｢なぁ、しげに何したん？｣
神山｢何って…家泊まってもらって一緒に飯食うただけやで？｣
｢…そんだけ？｣
神山｢うん｣
しげに寄り添って、話を聞いて、体調のサポートをして。
きっと支える側も大変だろうに、
しげの名誉のためか軽く流された。
｢ほんま神ちゃん、出来た人やな…｣
神山｢全然！俺もめっちゃ楽しんでたし笑｣
この完璧超人に、俺は何ひとつ勝てない気がする。
｢なんか弱点ないん？｣
神山｢どうしたん急に笑｣
｢朝、流星が言うてて。
神ちゃんは俺に弱み見せへんようにしてる、みたいな。｣
神山｢あ〜…確かにのんちゃんは弱点やな｣
｢え、俺？｣
神山｢のんちゃんには勝てへんもん笑
強く言われへんし、嫌われたらめっちゃ傷つくし｣
え、俺ら同じこと考えてた？
思ってもみなかった解答に思わず口角が上がる。
朝の流星の話との答え合わせが終わり、
ようやく俺の役割が分かった。
最年少だからって足を引っ張らないよう心がけていたけれど、
最年少だからこそ許されることだってある。
悩んでる奴がいて、
寄り添える相棒がいるなら。
無責任に無条件に、愛を押し付けるのが居たっていいだろう。
｢…ちなみにしげの弱点は？｣
楽屋に戻るなり、俺はしげの首を撫でた。
重岡｢…っ！なんやねん｣
｢最近構ってくれへんから。神ちゃんがしげの弱点は首筋やって｣
重岡｢あいつ…ほんっま……｣
なぜかしげは耳を赤くして
仕返しをする気力もない様子で口ごもった。
でもその表情は少し嬉しそうに見えて、
しげの纏う空気が軽くなった気がした。
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夜光(プロフ) - みささん» コメントありがとうございます！励みになります！ゆっくりですが完結できるよう頑張ります(ง •̀_•́)ง (2022年5月16日 12時) (
レス) id: 4599a482ed (このIDを非表示/違反報告)
みさ - 面白いです！更新待ってます！ (2022年5月14日 9時) (レス) id: 6097d6630f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜光 | 作成日時：2022年5月3日 1時
