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赤:お見舞い ページ14

<重岡side>


Aはしばらく入院することになった。





眠り姫のように何日も眠り続けてしまう病気。






詳しいことはわからないけど薬で治るような病気ではなく、

しっかり向き合っていく覚悟が必要だと思った。




もちろん周囲のサポートも。









俺ら7人の総意は決まっていた。





あいつと一緒に居たい。




誰ひとり欠けてはいけない。





8人でジャニーズWESTやから。






本人の意志を聞けるようになるまでは
7人で仕事をまわして、毎日見舞いに行くことにした。



嫌がられても、なんの役に立てんくてもいい。




ただ、そばにいてやりたい。












今日は1日オフだった俺が見舞いに来た。




せっかく来たのに、寝てやがるA。




すやすやと眠っているAは病気なんて思えなくて、
声をかけてみた。



「おーい。ほんまに寝てるん?おれやで?会いに来たで」




静かすぎる病室に俺の声が響いた。





「まじで起きひんつもりなん?寂しいやん…」




ほっぺたを軽くつまむ。




「変な顔になってんで。
…はよ起きな、俺にいたずらされんで?」





やっぱりドッキリにしか思えなくて、

思わずAも飛び起きてしまうようなことをする。



「……」




確かに唇は触れたはずだが、Aは目を覚まさなかった。






眠り姫はキスで目覚めるんちゃうんか。




そう思ったけど、間違えた。




「そっか笑 おれ王子様ちゃうもんなぁ…」





相変わらず静かな病室は

Aの穏やかな寝息と俺の小さな笑い声で満たされた。







Aのそばは居心地がよく、落ち着く空気が流れていて、

集中力の続かない俺が台本を読むのに最適だった。





時折、呼吸が止まっていないか確認しながら、

ふと思い出したメンバーのアホなエピソードを話しながら、


ゆっくりと時間は過ぎていった。






「あいつらほんまアホやねん笑
Aにも今度そんときの写真見せたるわ」





Aの好きそうな話をしたのに、やっぱり反応はない。





なんか悔しくなって、その綺麗な寝顔に腹が立ってきた。





台本に書き込むためのペンで、顔の黒子をひとつ増やす。

目立つところに、大きめに。






起きて気づいたらなんて言うかな。


俺がやったって気づくかな。





今度こそ笑ってくれるかな。








ちゃんと証拠写真を撮って、

ついでに俺らの自撮りもグループに送りつけた。






「おやすみA、また来るわな」

黄:お見舞い→←紫:覚悟



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亜由 - 自分のペースで書いて下さい。シェアハウスのお話も楽しみしてます。 (2023年1月31日 4時) (レス) id: 056f326efc (このIDを非表示/違反報告)
夜光(プロフ) - 亜由さん» 返信遅くなってすみません💦リクエストありがとうございます!ゆっくりですが、お答えできるように頑張ります!! (2023年1月31日 0時) (レス) id: b668a8ff43 (このIDを非表示/違反報告)
亜由 - 主夢がインフルエンザにかかったお話を書いてもらえませか? (2023年1月23日 3時) (レス) id: 056f326efc (このIDを非表示/違反報告)
亜由 - イブかクリスマスのお話を書いてもらえませか?書ける時でいいですから。 (2022年12月23日 16時) (レス) id: 056f326efc (このIDを非表示/違反報告)
夜光(プロフ) - 亜由さん» 感想ありがとうございます!更新頻度低めですが、楽しんでいただけると嬉しいです♪ (2022年12月20日 5時) (レス) id: 221577bf69 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夜光 | 作成日時:2022年3月26日 5時

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