腐れ縁のアイツ２ (ページ43)

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You side ページ43

Aside

みんな帰って、気が抜けたんかな。

自覚してなかったのに急にしんどなってきて、机に突っ伏しててん。次に目を開いたときには心配そうな健ちゃんと目があった。

不器用やけど優しくて、でも不馴れやからちょっと空回りして。

靴箱に向かう途中、さっき見送った昔から見てきた背中に想いを馳せてみてん。

あんなにちっちゃくて細くて頼りがいとはかけ離れたとこに居ったのに、今や頼りがいしかないあの背中。

やっぱカッコいいなぁなんて、たいして回ってへん頭で考えることなんてそれくらいで。

気付けば健ちゃんが来とった。

小島「ほんま大丈夫か？声かけても反応しやんからビックリしたわ。」

「うそ、ごめん…考えごとしててん。」

小島「ええけど。荷物持つな。靴履ける？」

「うん。ありがと。」

小島「おん…なんか、Aが正直すぎると調子狂うな。」

「失礼な！笑」

小島「そんな怒んなよ。笑先靴履くから待ってな。」

しゃがんで靴を履き始めた健ちゃんの背中を見てて、ほんまに無意識やった。

小島「え？」

「…え？あっ。」

小島「やっぱしんどい？歩かれへん？」

後ろから健ちゃんの肩に手を置いてて。

「…うん。」

小島「分かった。ほんならおんぶする…で？」

「うん。」

靴を履いて、健ちゃんが軽々とおんぶしてくれた。

小島「何かあったら言うてな。」

「…うん。」

振動がないように、ゆっくり歩いてくれる健ちゃんの背中から見る景色は普段よりもずっと高くて、変な感じがする。

緊張か恥ずかしさか何なのかは分からへんけど、健ちゃんの鼓動が早くなってるのが分かって可愛いなぁなんて。

小島「…あのさ。」

足音以外聞こえへん帰り道で、その静けさを破ったのは健ちゃんの一言やった。