【松岡凛】部長の妹がこんなに美人なわけがないPart3【Free!】

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「あっ！ 似鳥さんが戻ってくるそうです！」
「そういや本来の目的それだったな。宗介が変なこと言うからすっかり忘れてた」
「人の所為にすんな」

　口喧嘩も収まったようですし、鞄を手にして似鳥さんを待ちます。
　ただ、二人は静かに目で喧嘩をしているような気がします。
　気の所為でしょうか。気の所為であって欲しいのですが、フン！ なんて揃って言ってそっぽを向いてしまいましたので、気の所為ではなかったようです。
　心当たりはないのですが、私の所為……なのでしょうか……。

　コンコン、と控えめなノックが部屋に響きました。近くにいた凛さんがドアを開けると、似鳥さんが小さくお辞儀をしている姿が見えます。お部屋移動の時間です！
　お邪魔しました、と一礼し、お邪魔します、と一礼。
　210号室、似鳥さんと百くんの部屋です。

「上がモモくんのベッドです。あ、下のベッドはご自由にどうぞ。座るところありませんし……」
「それでは、失礼致しますね」

　二人とも机のイスにまで物が載っています。
　ただ流石に一時的なもののようで、勉強するときには片付いているのでしょう。
というか、そうしないと座って勉強が出来そうにもありません。

　のんびりと久しぶりの似鳥さんとのお話が弾んでいるそこに、しばらくしてノックもなしにやってきたのは――

「ぎゃー!! なんで姉ちゃんが鮫柄寮にー!!」
「あ、おかえりモモくん」
「百くん、お久しぶりですね。皆さんにご迷惑かけていませんか？」
「今日は怒られなかった、っていうかオフだし怒ってくれる先輩達もいなかった！ つか似鳥先輩、なんで姉ちゃんとそんなに仲良く喋ってんですかぁ？」

　似鳥さんとチラッチラッと目配せをすると、まるで『分かっていますよ』というように似鳥さんが優しく微笑んでくださいました。
　モモくんの質問にも大事なことは避けて偽りなく答えながらも上手く話を誘導し、はぐらかしてくださいます。

「あーもー、こっそり姉ちゃんとこ行ってビックリさせよーと思ってたのにー」
「逆ドッキリ成功です！」
「良かったですね、Aさん！」
「はい、ご協力感謝致します。お付き合いくださって、どうもありがとうございます！」

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