11 一年後 Side凛 ページ11
「そういや、最初に弁当届けにきてくれたときのA面白かったな。もう慣れたか？」
「そうですね。流石に凝視は出来ませんが、視界に入ったくらいでは悲鳴をあげたりはしませんよ」
「……いつの話？」
「去年の春」
わざと百太郎が知らない時期の話をAとしながら食べた。相変わらずなに作らせても美味い。
ついでに次の練習試合が鮫柄だから、弁当のリクエストもした。
俺が部長になる前から一緒にいた、っつーのを面と向かっていうのもアレだ。察しろ。
「松岡部長、転校してきてすぐは誰とも慣れ合わなかったって聞いてたけど、姉ちゃんとは仲良かったんだなー」
――通じてねぇ。
帰り際、部屋の玄関先で俺だけAに呼び止められた。
ドアで百太郎との間に壁を作って、頑張って背伸びしたAからのキス。
「――っお、おやすみ、なさい！」
慌ただしく閉まったドアの奥で、ドアに寄り掛かったような音が聞こえた。
思わず口元が緩んだ。隠すつもりで伸ばした手が、はたして意味を成しているのか。
「あのさー、松岡部長」
「ん？」
寮までの帰り道。
特に話題もなく静かだったそこに、百太郎の質問が響く。
「松岡部長ってさー、姉ちゃんのこと好きなの？ オンナとして」
「おう、オンナとして好きだ」
「む……そっかー」
そこまでは通じたらしい。
唸りながら、渋そうに百太郎は呟いた。
「松岡部長には、姉ちゃん、やんねーからな」
キッ！ と敵として俺を見る目は、御子柴さんのそれを思い出す。やはり兄弟だ。
宣戦布告をされた、ということで俺も言おうか迷っていたことを告げることにした。
「御子柴さん、御子柴さん家の大黒柱、ときて、今度はお前か。お前を認めさせたらようやくAと結婚出来るなぁ？ あぁ、認めてくれてるらしいお義母様にもご挨拶しねーと」
「――は？ え、ちょっ、どゆこと!?」
「そんぐらい分かれよ、義理の弟くん」
「はああああ!?」
これからは隠さなくていい。
喧嘩でもしたのか、なんて周りに勘ぐられなくて済む。
どうやって百太郎に見せつけていこうか、楽しみで仕方がない。
「――で、俺のカノジョが作った飯は美味かったか？」
絶望に満ちた百太郎の顔が面白過ぎて、寮についても時々思い出し笑いすることになった。
鮫柄学園水泳部。凄い新入部員を含めて、とても賑やかな日々の始まりだ。
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Alice(プロフ) - コスミ＠終わらない夏さん» ばりばりｗｗ でも私もそんなイメージです(;^ω^) 愛ゆえに…！！ (2014年9月13日 22時) (
レス) id: be52c26f88 (このIDを非表示/違反報告)
コスミ＠終わらない夏(プロフ) - Aliceさん» 宗介は水泳が絡まないと、よくいる男子高校生、っというイメージなので、きっと下ネタばりばりいける派だろうと思って動いてもらった結果がコレになります。コスミの愛ゆえに歪めてしまいました。 (2014年9月13日 22時) (レス) id: a3fcdb67fd (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - アイス…絶望的ですね…(´・ω・`) 宗介の誘導すごいｗ (2014年9月12日 15時) (レス) id: be52c26f88 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - コスミ＠終わらない夏さん» うああすみませんm(__)m 消しときます(;´Д｀) (2014年9月12日 15時) (レス) id: be52c26f88 (このIDを非表示/違反報告)
コスミ＠終わらない夏(プロフ) - Aliceさん» 喜んで頂けてなによりです！ ですが、曲名はその通りなのですが、検索避けの為に曲名は晒さないでおいて頂けると嬉しいです。調べれば分かる程度に濁した意味がなくなってしまいますので……。 (2014年9月12日 14時) (レス) id: a3fcdb67fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コスミ
| 作成日時：2014年7月17日 0時
