優しい彼氏との別れ方【三ツ谷隆】

おねがい15 ページ15

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「……お、怒ってるっつーか、スゴい簡潔ッスね」





手紙を読み終えた千冬くんは、うわぁと顔をしかめる。





『怒ってるよ！！！見てよこの筆圧を！』

「…筆圧なんて見てないッスよ」

『怖いよぉおぉぉおお……！もう隆に会いに行けない…！ちゃんと認めてもらわないといけないのに、面会拒否されてるし…！会えたとしても、怖くてまともに喋れないだろうし……！！』

「面会？別に病院じゃないんだから、勝手に行っちゃえばイイじゃないですか」

『いや…スゴい気迫の女の子に足止めされてねぇ……会いに行けないんだよコレが』

「三ツ谷くん防衛隊ですか」

『それだね』





トモちゃん、隆のこと大好きだからなぁ…。

部長のことを悩ませてるのはAちゃんだったんですか！！って怒られてしまって………………はーあ、怖かった。





「ってか、なんで別れたいんですか？めちゃくちゃ仲良かったじゃないですか」

『……千冬君にはまだ話せないかなぁ。でも、ただの気まぐれなんかじゃないよ。分かってくれてると思うけど』

「まぁ、それは……そうだと思いますよ、そりゃ…」





隆からの手紙を見つめ、この先の作戦を考え始める。





『いっそのことさ、えぐいくらいゲスくてクズな女になればイイかな？隆にウザがられて嫌われるような』

「無理だと思います。突然性格が変わったら、演技だってバレますよ」

『む…そうか、それはダメだな。じゃあ、浮気して嫌いになってもらう……とか！』

「Aさんは、浮気を上手く利用出来る人ではないじゃないですか」





千冬君はわたしのことをよく観察しているな……。





え、でもそれなんかわたしに失礼じゃない？

さりげなくディスられたよね、今。





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