カメレオン (ページ4)

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＃０３ページ4

コビー大佐の部屋の前に着くと、ノックを３回する。

コビー「どうぞ」

『失礼します、先程の任務、終了しました」

コビー大佐は書類を受け取ると、眼鏡をかけてジッと見た。

すごい真剣に見るなぁ。と思っていると、突然私を見上げる。

『な、なんでしょうか？』

コビー「任務中、何かありました？」

何を言い出されるかと構えていると、予想外のことを聞かれた。言うべきか、言わないべきか。

コビー「ずっと丁寧だった字が、一箇所だけ乱れていますが…」

鋭い。その字の乱れはきっと、竹刀にぶつかったときだろう。ガーゼは前髪で隠しているため

気付かれることはないが。

『いいえ、特に何もありませんでしたよ』

私は、竹刀の件を隠した。報告すれば、あの海兵はクビだろう。それはあまりにも可哀想だ。

今回の事は私の不注意なのだから。

コビー「…ではその、額のガーゼはどう説明するんですか？」

バレてた。コビー大佐は眉間にシワを寄せ始めた。

『ここに来る途中、転んでしまいました』

転んだ。そう言えば、信じてくれるかもしれない。

prrrrrr prrrrrr prrrrrr

少しの沈黙の後、コビー大佐の電々虫が鳴った。この時、その人より下の階級の者は部屋を出る

規則になっている。

『それでは、また何かありましたら電々虫でお知らせください。失礼しました』

コビー「あ…」

私は敬礼をしてその場を離れた。

部屋を出た後、私はその場に縮こまった。危うくバレるところだった。

ーーーコビーsidーーー

僕はしばらく、彼女の瞳について考え込んでいた。

なぜ瞳の色が変化したのか。悪魔の実でも無さそうだし…。

コンコンコンッ

突然、部屋にノック音が響いた。入ってきたのは、A少佐。

『失礼します、先程の任務、終了しました』

彼女から書類を受け取って間違いや訂正が必要なところはないかを確かめる。

コビー「！」

途中、字が乱れている事に気が付いた。この乱れは普通ではない。【す】の最後のはらいが長く

うねうねに伸びていた。何かにぶつかったか…それとも、転んだか。僕は不自然に思い、A

少佐に問いた。

コビー「任務中、何かありました？ずっと丁寧だった字が一箇所だけ乱れていますが…」

『……特に、何もありませんでしたよ』

少しの間を気にしながらも、僕はさらに問い詰めた。

コビー「ではその、額のガーゼはどう説明するんですか？」

図星を疲れたかの様に肩をビクつかせる。