二十一話 ページ25
「…憎いよ、お前らが。寺春が。」
精一杯の憎悪を込めて言った。
闇に染められた私の目に、光を取り戻すたった一つの言葉を信じて。
「……そうか…」
すると桐川はぎこちなく私の頭に手を置いた。
「…ごめんな。もっと信頼できるようにしてれば…」
？？？？？
「…え？」
「俺ら、もっとお前が信頼できるように頑張るからさ。少しは頼れよ…」
意味がわからなかった。
いつもだったらドキドキしてただろう。
でも今は違う。
結局私が寺春に水をかけたということに変わりはなく、
その原因が私が桐川や道川を信頼しきれていなくて相談ができなかったからだと？
そのことを理解した瞬間、今まで仲間だった裏切り者の手を振り払った。
「そっか！！！そっちか！！！！！論点が違ぇよ！！！！」
私はベットから立ち上がり、保健室を飛び出した。
違うだろ…
何だアイツ？？？
おかしい。おかしい。おかしい。
こんなはずじゃなかった。
''お前がそんな事やるわけないもんな''
その言葉が欲しかった。
信頼関係があるからこそ言えるこの言葉が欲しかった。
しばらく無心で走っていた。
「あ…」
無意識に体育館前まで来ていた。
窓からチラチラと見える。寺春が休憩中の部員達に心配されている場面。
もう何も感じなかった。
怒り、憎しみ、嫉妬、全部。
「無意識でここ来るとか…どんだけだよ…」
小声でそう呟き、目から溢れてくる何かを拭って再び目的地もわからずに走り出した。
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もちサブ - お願いだ…夢主ちゃんをしあわせにしてくれえええええ)))))) (2022年5月17日 22時) (
レス) @page35 id: 56e816f997 (このIDを非表示/違反報告)
三月 - わ〜！！面白かったです！ (2022年5月17日 17時) (レス) @page35 id: 2f9ff98037 (このIDを非表示/違反報告)
613honoko(プロフ) - コメントしようか迷ったのですが…なんというか、不自然な終わり方でしたね。急に薄っぺらくなったような、人間らしい奥行きが無くなったような…他の小説は誰が言うでもなく自分が納得できるまで書いてみては？ (2022年4月1日 14時) (レス) id: e49b0d2946 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 613honokoさん» コメントありがとうございます！やっぱり悪女側も内面を知ると好きになったりしますよね〜！更新頑張ります！ (2022年3月26日 11時) (レス) id: 0c5a82d5af (このIDを非表示/違反報告)
613honoko(プロフ) - 寺春好きだわ、頭いい。幸福を掴むのは相応の孤独と地獄を見てきたものって相場は決まってんのさ、ハハハ。続き楽しみにしてます (2022年3月24日 18時) (レス) id: e49b0d2946 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レタス様 | 作成日時：2022年1月29日 9時
