十九話 ページ23
コンコンっと音がした。
「柏崎、いる？」
起き上がり、ドアの方に目をやると、桐川が立っていた。
「桐川…部活は？」
「監督に許可とって少しだけ抜けてきた。」
「そっか…」
保健室に来てそんなに経っていたのだろうかと思い、時計を見るとかれこれ1時間ほど経っていた。
「あのさ、それで…どうしたの？」
心配してくれた、なんて淡い期待を抱いて聞いたのが馬鹿だった。
「お前さ…どういう事？」
「………え？」
「いや、寺春とのことだよ。お前、なんかストレス溜まってんの？」
「え？あ、え？寺…春さん…？え…？」
''私が寺春に水をかけた''ことが事実という前提で聞かれている。
まず私に事実かどうか聞くべきじゃないのか？
前は聞いてくれたのに…、
どういうことだ？
あれ、私、水かけてないよ？
私そんなことしないよ？
去年から一緒に部活やってきた「柏崎…！」
「えっ！？あ、なに？」
「本当に大丈夫かよ…相当何かに追い詰められてんだろ？俺で良ければ聞くぜ？俺じゃなければ道川とか…」
「…」
その追い詰められてる原因、寺春なんだけど。
信じてくれない、貴方達なんだけど。
「…悩んでなんかないよ！全然大丈夫っ！寺春さんね！ちょっと調子乗ってるかな〜？って思っちゃってついつい手が出ちゃったの！衝動的に！うん！そーゆー事だから！心配しなくて大丈夫っ！！」
何かに操られているかのようにペラペラと言葉が出てきた。
おかしいな、こんな事思ってないのにな。
「…お前そんな奴じゃないだろ…！本当に何があったんだよ？」
珍しく心配の色を滲ませて桐川が目を真剣に見つめてくる。
…あぁ、憎いよ。
今まで幸せだったのに。
信頼し合ってたのに。
裏切ったのはお前らだろ？
何今更心配してやがんだ…？
「…憎いよ、お前らが。寺春が。」
その瞬間、私の目は完全な闇に染まった。
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もちサブ - お願いだ…夢主ちゃんをしあわせにしてくれえええええ)))))) (2022年5月17日 22時) (
レス) @page35 id: 56e816f997 (このIDを非表示/違反報告)
三月 - わ〜！！面白かったです！ (2022年5月17日 17時) (レス) @page35 id: 2f9ff98037 (このIDを非表示/違反報告)
613honoko(プロフ) - コメントしようか迷ったのですが…なんというか、不自然な終わり方でしたね。急に薄っぺらくなったような、人間らしい奥行きが無くなったような…他の小説は誰が言うでもなく自分が納得できるまで書いてみては？ (2022年4月1日 14時) (レス) id: e49b0d2946 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 613honokoさん» コメントありがとうございます！やっぱり悪女側も内面を知ると好きになったりしますよね〜！更新頑張ります！ (2022年3月26日 11時) (レス) id: 0c5a82d5af (このIDを非表示/違反報告)
613honoko(プロフ) - 寺春好きだわ、頭いい。幸福を掴むのは相応の孤独と地獄を見てきたものって相場は決まってんのさ、ハハハ。続き楽しみにしてます (2022年3月24日 18時) (レス) id: e49b0d2946 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レタス様 | 作成日時：2022年1月29日 9時
