副編集長のイタズラ大作戦！【きゅけ】

続き ページ24

(立川 side.)




「――せいっ！―――先生！立川先生！！起きてください！！
５丸サイドアウトです」

「ちょっとボタン持って！はいボタン持ってボタン持って！」


突然、会場が変わり、いつもオフィスで使用しているランプを手渡された。


「問題」

何故か福良さんの声が聞こえる。
きっと、出題者の声が福良さんに似ているだけだろう。そんな思いでスルーした。


「ドイツ語ではグーテンモルゲン―」

あ、推し負けた。


「おはよう」

ピコンピコンと隣りの対戦相手の回答が正解だと告げる音がなる。


[○○さんが勝者への道を一歩リード！]


「では、続いての問題へ参りましょう！

問題、漫画などでいび―」

「おっ、立川さんどうぞ」

『ぜっと(Z)』

「正解！！

問題、ことわざで幸福は運によるものだから―」

あ、押し負けた。


[不正解、回答権は立川さんに移ります]


ぴこん、とすぐに自分のランプが点灯したこを確認する。


『果報は寝て待て』

「もう一回」

『……果報』

「正解！」

ときどき、耳に入る福良さん似の声に少しだけ戸惑う。
心なしか、対戦相手の声が山本に似ているのも、だ。


「問題、日光の眠り猫―」

『左甚五郎』


[立川さんがリード！]


「問題、鼻は象に、目h―」

『バク』

「立川さんがリーチ！」

「問題、アナログ目z―」

『目安針』

「正解！優勝は、立川 Aー！」


[問題……]


『rapid eye movement』


「え、ちょっと待ってどういうこと？」

「福良さん、今迄の寝言だったんじゃ……？」

「ちょっとちょっと、Aちゃん！？」


『地震……？』

「地震じゃないよ、Aちゃん、起きて？」

『？
んあっ……？ふ、くらさん……？や、まもと……？』

「やっと起きた！Aさん、優勝だよ！？」

『何が、？
まだ、勝負はついてないケド……』

「さっきの問題覚えてる？」

『さっきの問題って？
睡眠のひとつ”REM睡眠”の”REM”は何の略って問題？』

「それは出してないんだけど……」

「回答が”おはよう”次が、”ゼット(Z)”、”果報”、”左甚五郎”、”バク”、”目安針”」

「これに記憶ある？」

『それ、なんで知って？』

「たぶん、夢と現実が混ざっちゃったんだよ」

『だからか、福良さんの問読みが聞こえたのは
そして対戦相手が山本の声に聞こえたのは』

「え！？僕、夢に出てたの！？」

『うん……顔は別人だったけど』

「ええ〜、ざんね〜ん！」

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