epi.23 報告 ページ24
Your side
伊沢さんと相談して、9月から正式にバイトとしてQuizKnockに入る事、そしてそのタイミングで先日撮影した動画が公開される事が決まり、ついにやって来た夏休み。
たぁ兄より一足先に帰省して、地元に住んでいるいとこや友達に会ったり、先に済ませられる用事はとりあえず済ませた。
彼は色んなスケジュールの関係で、今日の昼頃に着いたら3日ほど滞在した後、また東京に戻るらしい。
それにしても、久々に帰る実家はやはり居心地が良い。
スナック菓子をつまみながらリビングでボーッとしていると、母から声がかかる。
「そういえばたぁくんも今日帰ってくるんやってね。」
『そーそー。3日くらいはいるみたいよ。』
あ、折角だしこのタイミングで一応伝えておこうか。
『っていうかあのさぁ、お父さんとお母さんにちょっと報告したい事あるんだけど明日良い?』
「え、なになに急に。」
先程までテレビを見ていた父も、驚いたようにこちらを向く。
『たぁ兄も一緒に話したいって言ってるんだけど。』
「別にええけど、え、あんた達まさか付き合って…」
『違う、そうじゃない。』
まさかの勘違いに、思わず食い気味にツッコんでしまう。
でもこれは確かに私の言い方も悪かったな。
「なんだぁ。あんまりビックリさせんでよ?」
『ごめんて。残念ながら相変わらず彼氏はおりません。』
「まあ音楽やってたらそんなもんよ。しゃーないしゃーない。」
と、何故か私を慰めるように母が言う。
心外だなぁ。別に全然、全く、ちっとも残念とは思ってないんだけど!!
「でも、急に知らない人連れて来られるよりは、拓哉くんが相手って言われる方が父さんとしては何倍もマシだけどなぁ。」
『そりゃ昔から知ってるからそうでしょうよ。』
「でも今でも話すんやろ?あんたが浪人してる時もしょっちゅう会ってたみたいやし、ないん?そういうの。」
若干ニヤつきながらそう言う母の目は、完全に恋バナ好きの女子高生のそれだった。
『ないない。第一今更そんな空気にならんよ。』
「まぁそれも仕方ねぇか。」
なんて言いながらまた各々が好きな事をし始める。
変に気合を入れて備えられるよりはマシかもしれないが、この空気はこの空気でちょっと心配だな…
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作者名:きゃる | 作成日時:2021年9月10日 10時