【QK】貴方の影は夜に溶ける

REAL SMILEーymmt×sgiー ページ8

※ymmtさんが性格最低になってしまった
※某フィッシュくんクイズより

sgi side

「須貝さん、どうして撮影中にあんなこといったんですか」

サブチャンの撮影後、山本が口だけの笑顔で近づいてくる。

「,,,無理してるお前、みてらんねーよ」

「僕は無理なんてしてませんよ」

ひどい！とむくれる俺の恋人。そんな動きも、少し信じられなくて。

俺の反応がよくなかったからか、山本はむくれるのをやめて真顔に戻る。整った顔立ちはやはり少年を思わせた。

外見は、少年。じゃあ、中身は？

「無理なんてしてません。俺は、俺がやりたいように振る舞います」

真顔で吐き捨てた彼は、こうちゃーん！と叫びながら向こうへいってしまった。

１人になった撮影部屋。はぁ、とため息をついて過去の動画を漁る。

コメント欄には色々な声。クイズの内容が面白いだとか、何秒のこのシーンがいいだとか、そんな感想の中に紛れて毎回ある声。

『山本さん可愛い』

別に山本に限ったことではない。

こうちゃんだとか河村だとか、カッコいいで言えば伊沢だとか、そういう声は少なくない。

オタク文化が浸透している日本では別に変なことではない、と思う。まぁ動画の内容も見てほしいんだけど。

メンバーも普通に受け止めている。

だけど、山本はどうなんだろう。

山本はどう、したいんだろう。


「須貝さーん？ちょっと、この記事の校閲おねがいしたいんですけど」

「ん、ああ、わかった」

伊沢に呼ばれて席をたつ。

これは彼の問題だ。彼が解かなくてはならない。
ましてや俺が関わることでもないのかも知れない。


アプリをとじて、満面の笑みの彼が背景のスマホの電源を切る。

暗闇に落ちた彼の笑顔は、見なかったふりをした。

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