三つ子の魂三十路で知る。[sgi] ページ8
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「ねぇ、駿貴」
「なんだい、お嬢さん」
「明日友達と出かけてくる」
「おん、行っといで」
そう、このナイスガイこと須貝駿貴という男は、可愛い可愛い彼女である私が、“友達”という少し大雑把な表現で遊びに行ってくると言っても、
「ねぇ、駿貴」
「んー？」
「明日の夜、飲み会誘われたんだけど…」
「ええよ、行っといで」
誰が参加するとも言わない“飲み会”に誘われても、
「ねぇ、駿貴」
「はいはーい」
「明日ちょっと遅くなるから先寝ててね？」
「ん？気にせんと向かえ来てやって連絡しといで」
もはや内容も言わない“ちょっと遅くなる”って言っても、中身の詮索はしてこないし、ニコニコ嫌な顔ひとつしないで送り出してくれる。
そりゃお互い30にもなれば、大人の付き合いなんてものもあるわけで、心の器だって大人になるわけで、そんな嫉妬束縛くらいで喜ぶ年齢でも無くなった訳じゃないけど、そうでもないわけで。
正直心配になるわけよ。
彼女としての立場。
「ねぇ、駿貴」
「なによ」
「駿貴ってさ、放任主義？」
「どうしたんいきなり」
「いやさ、30にもなって酔っ払って帰れなくなる訳でもないけど、いつも嫌な顔ひとつしないで遊びに行かせてくれるなぁって、ふと」
「あー、そういうこと？」
急に歯切れが悪くなった駿貴に、雑誌から目線を移動させる。
ほっぺをポリポリとかきながら、何かを言い淀む姿は正直珍しい。
「俺らさ、言ってしまえば幼稚園からの付き合いやん」
「まぁそうだね」
親の転勤の都合で、引越しした先の幼稚園で出会ったのが始まり。
「そうなると、いろんな癖とか見えてくるやん」
「うん、無きにしも非ず」
「A気づいてへんかもしれんけど、嘘つく時は高確率で前髪触るんよ」
「は？」
「この20数年見てきてる俺が言うんやから間違いないで(笑)」
「ということは…」
「そ、大体何か隠してたら前髪触るけど、別にそんなアクションもなく出かけてくる言うてるから、送り出しとるだけ」
「マジ？」
「おん、大マジ」
嘘だぁなんてソファーに凭れると、後ろからほっぺたつまんでくるドヤ顔のお兄さん。
「せやから、Aの嘘は俺には通じひんてことやから、これからも素直なAでおってや」
「……解せぬ」
「ふははッ」
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りりぃ(プロフ) - シラユキ。さん» コメントありがとうございます！全て面白いなんて言っていただけて、嬉しい限りです⋆*リクエスト了解致しました。シラユキさんもご自愛ください𓂃◌𓈒𓐍 (9月24日 9時) (
レス) id: 25bf53f7a7 (このIDを非表示/違反報告)
りりぃ(プロフ) - ばたこさん» コメントありがとうございます！リクエスト了解致しました⋆*ご期待に添えるよう頑張ります！ (9月24日 9時) (レス) id: 25bf53f7a7 (このIDを非表示/違反報告)
シラユキ。 - お話全てが面白い短編集を見つけてしまった…リクエストいいですか…mnちゃんのお話を頼みたいです…！できればでいいのでお体に気を付けて頑張ってください！ (9月18日 15時) (レス) @page36 id: fd9c934f53 (このIDを非表示/違反報告)
ばたこ(プロフ) - いつも応援してます！リクエストなのですが、東言さんのお話みたいです、！更新ゆっくりで大丈夫です！！ (9月18日 11時) (レス) id: 2432bd82c3 (このIDを非表示/違反報告)
りりぃ(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます！ものすごく嬉しいお言葉ばかりでニコニコが止まりませんでした*°今は少し忙しくまばらな更新になってしまいますが、是非お待ちいただけると幸いです！ありがとうございます！ (2023年3月31日 1時) (レス) id: 25bf53f7a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りりぃ | 作成日時：2022年9月24日 16時
