・ ページ19
.
とりあえず、お互い目当ての本を借りて、学内のカフェでお茶をすることに。
「Aちゃん何がいい?」
「迷うなぁ」
「この時期だと期間限定で抹茶あるよ」
「抹茶!私それにする」
“あとこのクッキーしっとりして美味しいから食べてよ!Aちゃん絶対好きな味”と+αまで提案してくれた。
お財布を出そうとすると、“誘ったの俺だし払わせて“なんてサラりと言ってのけた。
その流れで、座っててなんて言われてしまえば、従う他なくて、やはり私の知らない幼馴染がそこにはいた。
「おまたせ〜」
「…ほんとにこうちゃんだよね?」
「そうだって言ってんじゃん」
「期間空くとこうも人って変わるのね…」
「なにそれ(笑)」
手渡された抹茶ラテをズズっと飲みながら、そんなことを呟く。
朝の夢がふとチラつく。
「てかさ、Aちゃんも大学ここだったんだね」
「まぁ、勉強くらいしかやること無かったから(笑)こんなとこで再会なのも驚き」
「確かに何年ぶり?中学が最後でしょ?」
「時の流れって恐ろしいね」
クッキーをひとかじり。
確かに私の好きな味。
「こうちゃん、なんでクッキーも抹茶も覚えてたの?ウチらすごく久しぶりなのに」
「へ!?いや、昔がそうだったからさ」
「ふーん、意外。私に全然興味無いと思ってた(笑)」
「なんで?」
「なんとなく?まぁあんまり記憶もないんだけど(笑)」
数秒の空白。
お互い飲み物を飲んで、相手を伺う時間。
「あのさ!」
「ん?」
「興味無かったら、覚えてないから」
「え、」
「Aちゃん今彼氏いる?」
「いないけど」
「じゃあさ、立候補してもいい?」
「立候補!?」
「次は絶対俺の告白から逃げないでよね」
“また連絡する”と言って、教室棟へ歩く後ろ姿に、見て見ぬふりをしていた記憶を思い出す。
牧師さんの時も、小学2年生のバレンタインも、中学の卒業式も……
この関係が崩れることが嫌で、幼馴染というポジションが1番楽で、何より気恥ずかしくて。
「…バレてたか」
大人になった幼馴染は、どうやら本気らしい。
策士危うきは利用する。[fkr]→←思い出は口ほどに物を言う。[ko]
287人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りりぃ(プロフ) - シラユキ。さん» コメントありがとうございます!全て面白いなんて言っていただけて、嬉しい限りです⋆*リクエスト了解致しました。シラユキさんもご自愛ください𓂃◌𓈒𓐍 (9月24日 9時) (レス) id: 25bf53f7a7 (このIDを非表示/違反報告)
りりぃ(プロフ) - ばたこさん» コメントありがとうございます!リクエスト了解致しました⋆*ご期待に添えるよう頑張ります! (9月24日 9時) (レス) id: 25bf53f7a7 (このIDを非表示/違反報告)
シラユキ。 - お話全てが面白い短編集を見つけてしまった…リクエストいいですか…mnちゃんのお話を頼みたいです…!できればでいいのでお体に気を付けて頑張ってください! (9月18日 15時) (レス) @page36 id: fd9c934f53 (このIDを非表示/違反報告)
ばたこ(プロフ) - いつも応援してます!リクエストなのですが、東言さんのお話みたいです、!更新ゆっくりで大丈夫です!! (9月18日 11時) (レス) id: 2432bd82c3 (このIDを非表示/違反報告)
りりぃ(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます!ものすごく嬉しいお言葉ばかりでニコニコが止まりませんでした*°今は少し忙しくまばらな更新になってしまいますが、是非お待ちいただけると幸いです!ありがとうございます! (2023年3月31日 1時) (レス) id: 25bf53f7a7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りりぃ | 作成日時:2022年9月24日 16時