大好きな つづきともしも。【川上】

もしも。ymmt ページ3

これは、僕が小さい頃のお話。


やまもとよしあき、5さいです。
ぼくはとってもいい子で、先生のいうことはちゃんとまもるし、お友だちにはやさしくしてる。

そんなぼくには、なやみごとがある。

｢祥彰くんは、可愛くていい子だね！｣
｢よしあきくんかわいい……｣
｢よっしーかわいくて、女の子みたい｣

もう。
みんな、ぼくのことかわいいっていうんだ。
ぼくはおとこの子なのに……。

それに、ようちえんには、ぼくよりずっとずっとかわいい子がいるんだ。
Aちゃんっていう、女の子。
あんまりおはなししたことはないから、きょう、はなしてみようとおもうんだ！

「あの、こんにちは！Aちゃん」
『わ、えっと……よしあきくん！こんにちは』

どうしたの？とにっこりわらう。
このおかおが、とってもとってもかわいいんだ。

「そのえほん、すきなの？」
『うん、すき！』
「ぼくもすきなんだ、うれしい！」

Aちゃんが読んでいたのは、ぐりとぐら。
おりょうりすることたべることがすきな、ねずみさんたちのおはなし。

『おっきなたまごつかって、おっきなカステラをつくるとか、すっごくわくわくするの』
「わかるよ！あ、Aちゃん、知ってる？たまごってかんじではこうかくんだ」

ぼくがさいきんおぼえた、いちばんむつかしいかんじ。
クレヨンで｢卵｣とかくと、Aちゃんはすごくびっくりしたかおをした。

『え！すごい。よしあきくん、かんじかけるの？』
「かんじ、すきなんだ！」
『すごい、かっこいい！』

とびきりのえがおで、かっこいい、といってくれた。
ぼくはうれしくなって、ききかえしちゃった。

「え、ぼく、かっこいい？」
『？うん。よしあきくん、めおっきいし、かけっこもはやいし。かんじもかけるなんて、すっごくかっこいい！！』

うれしい、うれしい。
このあとぼくがしってるかんじを、たくさんおしえてあげた。
Aちゃんは、とってもたのしそうにきいてくれたんだ。
これからももっともっと、かんじをかけるようにして、Aちゃんにかっこいいっていってもらうんだ！

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大好きな【川上拓朗】25、35話より。
山本さんの初恋の人がもしも、夢主だったら。

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