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『じゃあ、私帰るね』

「送んなくて大丈夫?」



そんな優しさ要らないのに。



『まだ時間も早いし大丈夫』

「そっか、ごめん。」



そんな言葉が欲しいわけじゃないのに。



「またね」



玄関の扉を閉める。
冬の空気が鼻先をツンと掠めて、少しだけ切なくなった。



私達は付き合っていない。
最初は私もそれで良かった筈なのに。
彼に愛されたいと思う気持ちが、次第に大きくなっていくのを自覚していた。

好きになっちゃ駄目だ。
そう言い聞かせるにはもう遅すぎた。

そして彼はその気持ちを知ってか知らずか、私を抱く時だけ“愛してる”って囁くの。
帰る時には必ず“ごめん”を添えて。





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.→←カシスオレンジ/izw



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作者名:qk15gabriel | 作成日時:2022年11月28日 3時

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