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和やかな雰囲気で、みなさんと談笑する。
「でね?実は動画にも出てもらおうと思ってて」
「お、ついに女性の出演ですか」
「片口さんなら、男性視聴者増えそうですね」
『ええ、滅相もない』
「絶対、増える」
背後から囁かれてびっくりして振り返ると、まあ予想通り、川上さんだった。
「そろそろ、美容院じゃないん」
『あ、そうですね』
時計を見ると、2時半より少し前だった。
『ってあれ、美容院って言いましたっけ?』
「……身軽だから学校は寄っただけみたいだし、綺麗にメイクしてるけど髪はナチュラルだし。ネックレスしてるけどイヤリングしてないし」
『え、すごい……川上さん、女心分かりそうですね』
「そんなことない、けど」
随分すごい推理な気がする。
まだ2回目の美容院なので迷うことも想定しつつ、そろそろ出ようかと準備する。
『じゃあ、ありがとうございました』
「あ、Aちゃん。連絡先だけ教えて?今後のこと、またLINEするから」
「あれ、伊沢さん。ラ↓イン?」
「ああまちがえた、ラ↑イン」
QuizKnock好きならふふっとなるやりとりを聞きつつ伊沢さんとLINEを交換する。
「じゃあ、気をつけてね」
『はい、ありがとうございます』
みなさんに一礼して、部屋を出る。すると、一度閉めた扉が、もう一度開かれた。
『あれ、川上さん?』
「美容院て、近いの?」
ジャケットとスマホを手に持った、川上さんだった。
『どうでしょう、まだ2回目なので……』
「……送ってく。なんてとこ?」
『え、いいんですか?』
「うん。イントネーションからして、地方の方の人でしょ。さっきもキョロキョロしてたから、あんまり土地勘ないのかなと思って」
『……ありがとうございます!』
この人は、どこまで優しいんだろう。
細かいことに気がつくねなんて言ってくれたけど、川上さんの方がよっぽどだと思う。
「川上、あれ完全に惚れてるね」
「やっぱり?そんな感じしたわ」
「今日初めて会ったっぽいっすけど……まあ、可愛いし、川上が好きそうな感じだよね」
「若いっていいねぇ……」
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りんり(プロフ) - 莉華さん» ですので、莉華さんが良ければ、非表示を解除していただいても私が口出しするものではありません。もし気になる読者様から指摘がありましたらこちらで対応しますので、ぜひ気にせず執筆を続けていただきたいです。ご迷惑お掛けしました。 (2020年6月28日 23時) (レス) id: 5d8255529d (このIDを非表示/違反報告)
りんり(プロフ) - 莉華さん» 返信が遅くなってすみません。また、わざわざ当作品を読んで下さり、対応ありがとうございます。私自身当作品が大して独自性のあるものとは思っていませんし、似たような作品ならむしろ読みたいくらいです。(↑続きます) (2020年6月28日 23時) (レス) id: 5d8255529d (このIDを非表示/違反報告)
りんり(プロフ) - yukiさん» 返信がたいへん遅くなってすみません。報告、ありがとうございます。 (2020年6月28日 23時) (レス) id: 5d8255529d (このIDを非表示/違反報告)
莉華(プロフ) - yukiさん» 当事者です。この作品のことは全く存じ上げておらず、作品を作成しておりました。りんり様のこちらの作品を読ませて頂きましたが、自分でも凄く似ているな、と思いました。当該の作品に関しては非公開という形にさせて頂き、修正致します。大変申し訳ございません。 (2020年4月25日 20時) (レス) id: 907e72034e (このIDを非表示/違反報告)
yuki - すみません。似たような作品が作成されていますよ。(莉華様の「川上さんが甘々なんですが。」という作品です。) (2020年4月25日 0時) (レス) id: e5bfab260f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんり | 作成日時:2019年1月26日 22時