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4人がけのテーブルで、川上さんは伊沢さんの向かいに座る。どっちかの隣……躊躇っていると、川上さんが自分の隣の椅子を引いた。
「こっち」
『あ、はい』
「……ふうん」
伊沢さんのにこにこがにやにやに変わったのは、気のせいだろうか。
とりあえず、とメニューを開く。川上さんは紳士にどれがいい?と聞いてくれる。伊沢さんが奢ってあげるよ、と言うので、軽めのパスタをお願いした。
「Aちゃんはさ、いつからQuizKnock好きなの?」
『え、Aちゃ……ええと、1年前、くらいです』
唐突の名前呼びに戸惑う。これがコミュ力か……。
『初めて見たのは、はなおさんとのコラボ動画だったんですけど』
「あー、面白いよね」
「え、どれどれ?」
『やさぐれてるやつです、あの__』
「あー、あれね、」
『「リゼルギン酸ジエチルアミド」』
ハモった。川上さんと、盛大に。
顔を見合わせ、お互いに吹き出す。いやいや、とつっこむ伊沢さんだけど、笑いが止まらない。
「それ、ハモるとこかあ?」
『だって、あれ、好きなんですよ』
「あと、バナッハ=タルスキーの定理も」
『分かります!ココナッツ増えるんですよね』
「もー、2人で盛り上がんないでよ」
川上さんとは、笑いのツボが合うようで、ちょっと嬉しかった。
「あれが初めてなのか。びっくりしなかった?」
『んー、でも私、それまで東大王見たことなくて』
「ええ、そうなん?」
『はい。だからむしろ後から東大王見て、え、伊沢さんが真面目だ!って驚いてました』
多分、他の視聴者さんとは逆なんじゃないかなぁ。
「あれで伊沢さんのこと知ったんなら、そうとう変な人だと思ったでしょ?」
『面白い人だなと思いましたよ』
「そっかー。じゃあじゃあ、誰が好きなの?」
お待たせしました、と料理が届く。おいしそう。
私と伊沢さんが頼んだパスタが届き、川上さんのランチプレートはまだのようだ。
うまそう、とさっそく頬張る伊沢さんに、質問の答えを返す。
『私、初期メンバーというか、ずっと三拓が好きで__特に、川上さんが大好きなんです』
「ほう。よかったじゃん川上」
『あ、もちろん、伊沢さんも大好きです』
「いや、気使わなくていいよ」
俺のファンの方が多いしな、と笑う。こういう、自信に溢れたところも素敵だと思う。
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りんり(プロフ) - 莉華さん» ですので、莉華さんが良ければ、非表示を解除していただいても私が口出しするものではありません。もし気になる読者様から指摘がありましたらこちらで対応しますので、ぜひ気にせず執筆を続けていただきたいです。ご迷惑お掛けしました。 (2020年6月28日 23時) (レス) id: 5d8255529d (このIDを非表示/違反報告)
りんり(プロフ) - 莉華さん» 返信が遅くなってすみません。また、わざわざ当作品を読んで下さり、対応ありがとうございます。私自身当作品が大して独自性のあるものとは思っていませんし、似たような作品ならむしろ読みたいくらいです。(↑続きます) (2020年6月28日 23時) (レス) id: 5d8255529d (このIDを非表示/違反報告)
りんり(プロフ) - yukiさん» 返信がたいへん遅くなってすみません。報告、ありがとうございます。 (2020年6月28日 23時) (レス) id: 5d8255529d (このIDを非表示/違反報告)
莉華(プロフ) - yukiさん» 当事者です。この作品のことは全く存じ上げておらず、作品を作成しておりました。りんり様のこちらの作品を読ませて頂きましたが、自分でも凄く似ているな、と思いました。当該の作品に関しては非公開という形にさせて頂き、修正致します。大変申し訳ございません。 (2020年4月25日 20時) (レス) id: 907e72034e (このIDを非表示/違反報告)
yuki - すみません。似たような作品が作成されていますよ。(莉華様の「川上さんが甘々なんですが。」という作品です。) (2020年4月25日 0時) (レス) id: e5bfab260f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんり | 作成日時:2019年1月26日 22時