体調が不良気味のようです【QK】-5- (ページ19)

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俺が眠れなくなり始めてから、2週間くらい経った。

今日も郵便受けを開けると

須貝｢……あれ？｣

ない……？

違和感を覚えながらも、執務室に入る。

須貝｢おはようございまーす……｣

なるべく元気に見えるように。

いつもの須貝駿貴に見えるように。

明るめのトーンで挨拶をすると

伊沢｢おはようございます｣

山本｢おはようございます！｣

川上｢おはようございます｣

いつも通りの挨拶が返ってきた。

伊沢｢須貝さん。ちょっと良いですか？｣

荷物を置こうとした時に、伊沢に声をかけられた。

須貝｢うん。良いけど、どうしたの？｣

伊沢｢ちょっと、一緒に会議室に来てください｣

須貝｢え？うん｣

俺は、伊沢の言葉に従い、伊沢の後ろを歩きながら会議室に向かう。

会議室の中に入った時。

須貝｢……！｣

俺は思わず目を見開いた。

伊沢｢……須貝さん。取り敢えず、中に入りましょう｣

伊沢は、会議室の鍵を閉めると

椅子に座るよう、俺に促した。

伊沢｢須貝さん、その反応は、これに見覚えがあるということで良いんですよね？｣

伊沢が言う｢これ｣とは

目の前の机に置かれた、大量の紙のこと。

大雑把に折られた紙の隙間からは、少しあの赤いペンで殴り書きされた文字が見える。

今日、郵便受けを見たら1枚もなかったから、可笑しいと思ってたら

伊沢が出してたのか……。

伊沢｢須貝さん。どうして隠してたんですか？｣

どうして隠してたのかを一発目に聞くって、伊沢の中で俺が事前に知ってたことは決定事項なんだな。

須貝｢伊沢はさ、その中身見た？｣

伊沢｢何枚か見ましたよ｣

須貝｢俺さ、初めてそれを見た時、まじでショックで……。すんごい苦しかった。辛かった。クイズが出来ないのにだよ？」

伊沢｢はい｣

須貝｢だから、俺がこんだけ辛いってことは、他のみんなはもっと苦しいんじゃないかって思って……。みんなにこんな思いしてほしくない。俺1人で十分だって。そう思ったんだよ｣

俺が思っていたことを全部話すと

伊沢｢須貝さんは、優しいですね｣

須貝｢そんなこと……｣

伊沢｢ありますよ。今回のことだって、みんなが傷つかないようにって、自分の身を呈してくれたってことじゃないですか｣

そういうことになるのかな……？

身を呈したっていうのは大袈裟な気もするけどな。