目眩く色彩

040.東京のお兄ちゃんズ ページ43

izw side
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「はい、没収〜」
『え゛っ』


安静を言い渡したのに懲りずにTwitterを眺めてるAから、携帯を奪ってベッドに押し込む。

やや不満そうな表情を浮かべるが、熱のせいか目は虚ろで 口調にもキレがない。


そんな姿を見て、俺の頭は別の方向へ働く。
…1人はまずいからとオフィスに連れてきたものの、“着替えを置いてるのか？”と。


「…A オフィスに着替えある？」
『え…と、ありましたっけ？』
「お前に覚えがないならないじゃん」


俺の言葉にあははと笑って、そのままむせるように咳込んだ。一度咳をしたら止まらないのかゲホゲホと辛そうな咳を繰り返す。

Aの背中をとんとんと叩くと徐々に治まった。


『んん゛…あー…すみません』
「いいよ。水飲む？」
『喉痛いんでいいです…』


項垂れるAに“横になってなね。着替え探してくる”と言い残して部屋を後にした。


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「あ、山本！」

丁度通りかかった山本を呼び止めて、“スウェットかジャージない？”と問いかける。

「A着替えないみたい」
山「…ハーフパンツならあります！」
「あ、じゃあそれ持ってきて。」
山「はい！」


元気よく飛び出してった山本を待ちつつ、パーカーを引っ張り出す。山本が上も持ってたら(サイズ的に)丁度良いんだけどなぁ〜なんて考えつつ。


山「伊沢さーん上も要りますかー？」
「お！あるの？」
山「半袖なら！」
「おい〜もう冬だから！風邪治んないよ」
山「運動用しかなくて、つい(笑)」


笑ってる山本を小突いてからハーフパンツだけ受け取って部屋に戻ると、数分しか経ってないのにAは眠ってしまっていた。

寝不足だろうし起こしたくないけど…服が皺になる前に着替えた方が良いかな、とも思う。
…迷いつつも声をかける。


「…A、起きて。着替えてから寝な」
『……？いざわさ、ん』
「そう。これ着替えて」
『は、い』


Aに服を手渡して一度外に出ると、廊下の端から須貝さんが顔を出した。


須「…何してんの？」
「着替えてるから外にいま〜す」
須「な〜るほど。Aちゃん飯食えっかな？」
「水すら拒否されましたけど…どうだろ」
須「食べないと薬飲めないしな」

なんて話してると、ドアが開く。


『…きがえましたよぉ』


……完全にオーバーサイズのパーカーに目がいったのは男の性。ってことで。


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