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志麻さんが屋敷から嵐のように去り雰囲気が落ち着いた。私はさっきまで彼が立っていた場所を呆然と見つめていると「A」と呼ぶ声が聞こえた
そういえば今気づいたけど裸足で枯山水の上に立ってたこと忘れてたな
そんなことを考えながら後ろを振り向けば私の考えを読み取ったかのようにセンラさんは穏やかな表情でありながらも咎めるような声を含め、私に近づいてきた
「Aは女の子なんやから裸足で地面に立つなんてはしたないことしちゃ駄目ですよ？」
「すみません。あまりにも志麻さんの言動が癪に触ったものでつい」
「まーしぃはあぁ見えていい妖怪なんですがね。彼の言葉の選び方は性格に含まれた不器用さのせいなんよ。昔っからの癖でしてね」
あまり悪く思わないで下さいね、と説得されてもどうしても腑に落ちない。でも態度だって冷淡としてるし平気な様子で馬鹿にしてくる顔が浮かんできて逆に腹が立ってきた
けれどその怒りはセンラさんが私の腕を引き寄せ菊の香りに包まれたことで思考の回転が急激に停止した。まだこの建物に居候させてもらって日が浅いというのに今目の前で起きてることに理解が追いつかない
「な、何を」
「んー？別に今日の仕事で疲れたんで抱擁で癒してもらおうと思ってただけですよー？」
「だからと言って私を抱きしめる必要ないんじゃ…ほ、ほらぺぽちゃんとか！そういう動物の方が全然可愛いし癒されやすいと思いますよ！！」
「ぺぽはもちろん可愛いですよ。けれども俺が見てきた人の子でAが一番可愛いと思ってたんですがね」
柔らかな口ぶりで優しく抱きしめてくるものだから気がつけば怒りはどこかへと行ってしまった。それよりもセンラさんの行動が大胆過ぎて余計に上昇する心臓の鼓動が聞こえてしまうんじゃないかというくらい煩かった
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夜紅茶(プロフ) - Naoさん» コメントありがとうございます！そんな前から見ていただいて嬉しいです！気長に続編を待っていただければ幸いです。 (2020年10月4日 19時) (
レス) id: 676346443e (このIDを非表示/違反報告)
Nao(プロフ) - この小説が書かれだした頃から見ているのですが夜紅茶さんの言葉選びは凄く人を惹きつけるもので素晴らしいと思います！続き待ってます！楽しみです！ (2020年10月4日 18時) (レス) id: b92cb2f456 (このIDを非表示/違反報告)
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