花蜜の味 ページ14
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「ここを開けてみてください」と言われ恐る恐る障子を開くと機織り機が置いてある畳の間。そこにはたくさんの鮮明な色が連なった高級感のある振袖が並べられていた
「ここにある物から好きな振袖を選んでください。いつまで経ってもその衣だけというのも不便やろうし」
そんな簡単に振袖を差し出せたりこんなにも広い屋敷を持てるとは一体この人にはどれくらいの財力があるのだろうか
というか私はそんなに身分が高い方でもないただの女子高生ですけど！
動きがたどたどしくなりながらも目の前にあった振袖に触れてみると絹のような手触りの良い物で素敵な柄の物ばかり
「どうかしました？ここに気に入るものはありませんか？」
「いえ！滅相もないですが…」
どれも価値が高そうなものばかりで困るわ！！それに美的センスに自信があるわけじゃないし！
するとセンラさんは私の考えてることを読み取ったのか隣に来て一着の振袖を手に取って私の前へと差し出した
「これはどうです？」
センラさんが選んだのは淡黄色の振袖で牡丹の花や淡い色でまりが描かれている古典柄の物。
「可愛い」と口から零すと彼は瞳を細めて「決まりですね」とそれに見合った白の帯や桃色のとんぼ玉の付いた簪を差し出してくれた
けれど一人で着付けができる訳でも無いので悩んでいるとセンラさんは御札を床に貼ったあとなにか言葉を呟き念じた。するとその札から煙が出てきて中からはぺぽちゃんが現れた
「ぺぽが着付けをしますから安心してください」
彼はぺぽちゃんの額に触れるとまた先程のように音を立てて煙が舞った。すると中から出てきたのは金色の艶やかな長い髪と墨色の瞳を持った美しい人のような姿に変化していた
目には朱色のアイラインが引かれているのには変わらないがあまりにも変わりすぎていて驚いてしまった
擬人化…であってる？
「喋ることは出来ませんが何かあったらぺぽに申し付けてください」
それでは失礼しますと彼が畳の間から出ていったあとぺぽちゃんによる着付けが始まった
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夜紅茶(プロフ) - Naoさん» コメントありがとうございます！そんな前から見ていただいて嬉しいです！気長に続編を待っていただければ幸いです。 (2020年10月4日 19時) (
レス) id: 676346443e (このIDを非表示/違反報告)
Nao(プロフ) - この小説が書かれだした頃から見ているのですが夜紅茶さんの言葉選びは凄く人を惹きつけるもので素晴らしいと思います！続き待ってます！楽しみです！ (2020年10月4日 18時) (レス) id: b92cb2f456 (このIDを非表示/違反報告)
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