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なんで私なのだろうか。私は貴族でもなければ見た目だってぱっとしない。至って普通の凡人の使用人のはずなのに…

こんなにも問題を抱えるのは自分に自信を持っていない証拠だ。胸を張って隣に立つことがまず出来ない。

不安が募るこの日に疑問ばかりを感じてばかり、淀みのように悩みが溜まり笑うことすら儘ならなかった。



「Aさん?」

「…っえ……あ、奥様!申し訳ございません!」



(執務中だったのに。)



後ろからそっと声をかけられ振り向けば優しい顔を浮かべた奥様が部屋の中に入っていた。「ノックをしたけれど反応がなかった」と言われ思わず驚いて反応してしまった。

…というかなんで私が困ってんだろう。困るのは奥様の方なのに。




「どうしたの?帰ってきたかと思えばどこか遠くを見つめて貴方本当に大丈夫?」

「…すみません。」



私の中での心の中で釣り合っていた天秤が崩れていっている気がする。自我なんて今まで脳裏に浮かべたことは初めてで、しかも自分の私欲なんて優先したことはあまり無かった。

初めてのことだらけでパニックに陥ってそのまま流されている気がする。



「…少し早い時間だけれども休憩はいかが?ハーブティーを用意したの。」



奥様は私の部屋にある机の上に淡々とお茶の用意を済ませていく。

部屋の中に広がるのはスッキリするようなミントのような香り。鼻の中を通り過ぎると脳内に溶け込んでリラックスをさせてくれているようだった。



「精神安定としてこれを飲むといいのよ?最近紅茶のお店で仕入れたの。」

「奥様が?」

「えぇ。私もたまに街を歩いてるから。」



初耳だ。私がいない間にまさかそんなことをしているとは思わなかった。でも当の本人は楽しそうにしているから心配の声をかけようと思ったが表情を見る限りそんなことは出来なかった。

楽しそうだからいいかな、なんて。



・→←第十三章【難渋の渦】



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ヨル(プロフ) - コメントありがとうございます!何とかひねりにひねって作品を良いものにしていきたいと思いますのでよろしくお願いします (2020年1月16日 20時) (レス) id: 676346443e (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - この作品好きです!続き楽しみに待ってます! (2020年1月16日 20時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
パピヨンlove - ヨルさん» いやいや全然!バイト〜〜〜頑張れ!!!!!(元気玉)いつでも待ってるよ(イケウ``ォ) (2019年8月21日 1時) (レス) id: 96ecbd33f4 (このIDを非表示/違反報告)
ヨル(プロフ) - パピヨンちゃんおひさ!ありがとねー!!今、バイトとかの予定で中々更新頻度が下がってしまってね…気長に待ってて! (2019年8月11日 19時) (レス) id: 676346443e (このIDを非表示/違反報告)
パピヨンlove - ヨルさん久しぶり!!!!作品面白いね。読んでて楽しいよ!!更新頑張って! (2019年8月11日 13時) (レス) id: 96ecbd33f4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夜紅茶 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/qZN5vxyJ6V2/  
作成日時:2019年6月28日 15時

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