Demons Lock【志麻】

sugar×46 ページ47

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「志麻が？」

「呼び捨てにするほど親密なのぉ？羨ましいなぁ。ま、でもそういうことだよ」

「A」


ちょいちょいと手で誘導されハテナマークを浮かべながら私は何も疑うことなく折原先生に近づいた。うらたぬきさんにまで内緒なのか耳打ちをするかのように方手で覆い隠し唇を開いた



「まーしぃ休日に給仕してくれたやろ？あれ俺に頼んできたんよ。＿＿どうやったらAをのためになるんか」



すっと離れて折原先生は「内緒やで」と片目を閉じてウィンクをした。うらたぬきさんは聞こえてなかったのか「なになに？」と折原先生の肩を掴んで問い詰めていた。

志麻が、私のために考えてくれた…


「お前魔法使ったでしょ？俺にも聞こえないように」

「まぁ耳がいいとささやかな囁きも聞こえてしまいますしぃ？その題材を使って同種族で争いを起こす、なんてこともあるかもやしぃ？」

「見てたのかよ」



その事実を知ったせいか今すぐ帰りたくなって私は立ち上がり荷物を無造作に持った。「用事を思い出しました」と折原先生に伝えて頭を下げてから準備室から飛び出した。



*✾◇✾*




風のように騒ぎが一瞬にして過ぎ去り落ち着きのある風が窓の方から優しく吹き込み自然の匂いを準備室の中へと運んできた。

まぁ本当は言わないように口外されていた内容もついつい口外してしまったことは後々怒られるのかなとか微笑を浮かべた。



「…なぁセンラ。さっきの奴今は契約の印で繋ぎ止めることは出来てるけど“負のオーラ”が薄まってきてる」

「えぇ、知ってます。ここからは俺らの手出しは無用ですよ」

「分かってるよ。どうするかはアイツら次第だし」



そう、壁はここから。悪魔が魅入って少しでも依存の沼にハマってしまえばそこから心ごと飲み込まれてしまう。

俺もうらたんもそこが1番の苦労した時期でお互い悩みあったり揉めたりもした。



「どんな終わりが来ても俺は受け止めるつもりですしとやかく言うつもりは無いです」

「…そ。まぁそれにセンラはそのリング外す気無さそうだし」

「あ、バレた？魔法で消してたんやけどなぁ」


薬指に嵌められた銀色のリングにプリムローズイエローの小さな宝石が付いた手を見ながら彼女のことを思い出して無意識にふっとした笑みが零れた。



「随分溺愛してるんですねぇ」

「俺の子についてなら丸一日以上語れるけど聞く？」

「遠慮しとく」



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